1 小型ガラス容器を用いた平衡平板型RFプラズマ反応装置(13.56MHz、500W)を用いて、フラーレン膜をプラズマ反応させることができた。 2 CF_4ガスプラズマによりC_<60>膜をフッ素化した。適切な圧力と入力パワー及び基板の冷却により、C_<60>F_<60>を含むフッ素化フラーレンを合成できた。C_<60>F_<60>の合成はこれまで例が無い。このフッ素化物は、C_<60>F_<30>-C_<60>F_<46>辺りに強いピークを持つ。また、プラズマダメージによる膜の劣化が起きうるので、合成条件の調節が必要。 3 酸素ガスプラズマによりC_<60>膜を酸化することができた。酸素は分子間空隙に良くトラップし、弱いイオン結合性を示す。 4 フラーレン膜を酸素プラズマ処理し、電極ではさんで光導電作用を測定すると、3000Lux程度の光で、導電性が1000倍程度上昇することを見い出した。酸素吸着状態は安定であり、光電スイッチへの応用が期待できる。 5 シリコンウエハー上に酸素吸蔵フラーレン膜を合成し、その光作用を調べると、光発電作用(太陽電池)が有ることを見い出した。量子効率は1%程度である。透明電極の利用やフラーレン膜厚の制御により、量子効率の増加や電力効率の上昇を試みている。 6 C_<60>膜のレーザー蒸発法によりC_<60>重合体(m[C_<60-2n>]、m=2-6)の合成に成功した。さらに重合の進んだ膜の合成を検討している。
|