ダイバータプラズマは、ダイバータ板と強い相互作用を行い、ダイバータ板の材質である様々な物質をスパッターさせプラズマ中へ不純物を混入させる。最近の大型装置では高Z不純物の混入をさけるために低Z材の使用が主流であるが、将来の核融合炉では高融点のタングステンやモリブデンなどの高Z材の使用が有力でその挙動を調べることが重要な課題になっている。高Z材のダイバータ近辺における密度分布は、これらの原子からの発光強度を分光学的方法によって測定し、その発光強度から原子密度を評価しなければならない。このために高Z材の代表であるタングステンおよびモリブデンの分光測定に必要な基礎データであるエネルギー準位、波長などのデータベースを作成した。またこれらのデータベースを活用してグロトリアン図の作成をした。これらのデータベースを構築すると励起係数の評価が可能となり発光強度と原子密度との関係をきめることができる。このデータベースを基に現在共同研究をおこなっている米国マサーチュセッツ工科大学プラズマ核融合センター、ドイツユーリッヒプラズマ物理研究所で測定したモリブデン、タングステンの分光データの解析を進めている。
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