研究課題
ダイバータプラズマは、プラズマ容器と最も強く相互作用するプラズマであり、その特性を理解することがよりよい閉じ込め性能を有するプラズマ実現の鍵となる。この領域のプラズマでは、その化学的組成、温度、密度などを詳しく調べる必要がある。特に化学的組成に関しては分光学的な方法が最も適している。今年度はドイツユーリッヒのプラズマ物理研究所にあるTEXTOR-94装置でタングステンテストリミターを用いてリミター周辺の中性タングステン原子の発光スペクトルと中心部の高電離タングステンイオンの発光スペクトル強度との関係を明らかにした。プラズマ閉じ込めの改善に関係するもう一つの重要な要素は中性水素原子の挙動を明らかにすることである。この場合水素原子がプラズマ容器壁からどのような速度でプラズマ内に浸入するかが特に重要である。このために今年度は、水素原子の速度分布関数が評価できる超高波長分解分光器を中心とする計測システムの製作を行った。分光器の逆線分散は、0.075 nmで分解能は0.0015nmである。50本のファイバ-による入射光学系と2次元のCCD検出器で空間点50点が同時に計測可能となっている。
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