研究課題/領域番号 |
10680458
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 克己 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (30026314)
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研究分担者 |
中村 祐司 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (20198245)
水内 亨 京都大学, エネルギー理工学研究科, 助教授 (20135619)
佐野 史道 京都大学, エネルギー理工学研究科, 教授 (70115856)
岡田 浩之 京都大学, エネルギー理工学研究科, 助手 (50169116)
別生 榮 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (00135617)
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キーワード | ダイバータ / 水素原子 / リサイクリング / 速度分布関数 / LHD / heliotron J |
研究概要 |
ダイバータプラズマの研究は、将来の核融合炉を実現する上で最も重要な課題の一つである。特に大きな勢流束に耐える材質を開発することが急務である。またプラズマ流を制御するためにはダイバータ領域の詳細な情報を得る必要がある。分光学的な研究では、ダイバータ領域にある水素原子の速度分布関数を直接測定できるという特徴がある。今年度の研究では、これまでに開発してきた高波長分解能分光器を核融合科学研究所にあるLHD装置にとりつけダイバータ領域の水素原子の速度分布関数を測定した。 LHD装置では、中性粒子ビーム入射によって平均電子密度4.5×10^<19>m^<-3>の長時間放電が行われるが、その間の水素原子の速度変化を測定できた。放電開始時は、速度に大きな変化が認められないが、定常状態に移ると最も速度の大きい場合で9×10^3m/sに達した。スペクトルのシフトから水素原子は測定系に近づく方向で運動していることも明らかになった。また水素原子の発光スペクトルのプロファイルを詳細に調べると非対称性が認められ、低温と高温の2成分に分離できることが明らかになった。低温成分は0.1eV、高温成分は0.4eVのエネルギーに対応することもわかった。これらの値はダイバータ領域を視線が見込むときに得られ、ダイバータ以外の領域を観測すると大きな変化が無いことが明らかになった。したがってダイバータ領域でLHDプラズマが強い相互作用をしていることが明らかになった。
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