研究概要 |
レーザー光を固体ターゲット上に集光照射すると1Mガウス級の磁場が発生することは従来よりよく知られている。最近レーザーの超短パルス化(〜100fs),超高強度化(〜10^<14>w/cm^2)が進み発生磁場も数百Mガウスから1Gガウスに及ぶことが理論的に予測されている。本研究では当センターの超短パルス超高強度レーザーを用い上記磁場発生をX線分光学的手法により実験的に確証することを目的としている。この目的に従って平成10年度実験的研究を以下のとおり行った。 超短パルス超高強度レーザーとして反大レーザー研設置の激光XII号に布設されているペタワットモジュール装置を用いる。X線分光装置として波長30nm〜2nmにわたり平面結像型斜入射X線分光器,波長1〜1.5nmにわたり湾曲結晶分光器を用いた。それぞれ高い波長,空間分解能を有している。レーザー照射ターゲットとして低原子番号固体ターゲット及び高原子番号固体ターゲットを用いた。前者により一本一本の線スペクトルが分解され,スペクトルブロードニング,共鳴線近傍に現れるサテライト線,インターコンビネーション線が得られている。これによりプラズマの基本的パラメーターである密度,温度の情報が得られる。本年度は空間分解された線スペクトルX線のスペクトル幅,ライン強度比の詳細な測定を行なった。これらのデータを基礎に本研究の目的に向かいデータ取得を行なう予定である。
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