ボート法によって生成したアルミニウム微粒子に紫外線を照射して作った微粒子プラズマの密度並びに密度分布をHe-Neレーザー光の散乱強度によって精度良く測定できるようになった。更に、この微粒子プラズマのビームを静電場・静磁場中を通過させ、ビームの分裂と偏れの大きさによって微粒子の帯電量と帯電量の分布を正確に求めることができた。この微粒子プラズマを用いて、土星等の外惑星に見られるリング形成の謎を探るシミュレーション実験を行った。、微粒子プラズマ中に小さな永久磁石を埋め込んだミニチュア球を置き、それを回転させる実験を行った。単極誘導によって発生した電場によって微粒子プラズマが綺麗なリングが球の周りに形成されることが確認できた。このリングが形成される条件は、シミュレーション計算によって得られた結果と良い一致が見られた。この成果は2nd International Conference on the Physics of Dusty Plasmas、ポルトガルのファロで行われたTopical Conference、及び、アメリカサンタフェでの8th Workshop on the Physics of Dusty Plasmasにおいて発表し、大きな反響を得た。 さらに、微粒子プラズマの帯電量をリアルタイムでの測定を目指したポールトラップ・ペニングトラップを製作し基礎実験を行ない帯電油滴をトラップすることに成功し、その帯電量を求めることができた。微粒子の帯電過程を調べる目的で、紫外線照射したガラス微粒子の帯電量と、粒子径・材質依存性を調べる実験と高周波放電によるプラズマとの相互作用による帯電過程、粒子径・材質依存性についても研究し成果を上げられるようになった。さらに、散乱光強度の角度依存性を用いて微粒子径をリアルタイムで測定する実験では実用化の目途がつけられる成果が得られた。
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