研究概要 |
金属表面に周期的な溝を掘った回折格子の表面近傍に電子ビームを伝搬させると、表面近傍に存在するevanescentと、電子ビームが速度同期して、電磁波の発生、増幅が行える。 第一段階として、50GHzのミリ波領域でのスミス・パーセル型自由電子レーザーの実験を行い発振信号を検出している。第二段階として、100GHz以上での発振実験を行っている。このために、金属凹面鏡、平面鏡、及び金属回折格子面からなる、リング共振器を構成し、100GHzでの共振特性を測定し、その損失を高める改善を行っている。電子ビームとその共振器を組み合わして、100GHz帯をねらった発振実験を試みているが、いまだ発振を確認していない。回折格子を含む3枚の鏡からなる準光学的共振器のQ値が高くとれないこと、電子ビーム密度がいまだ低く利得が小さい事が原因と考えられる。 平行して、マイクロウィグラー磁場を利用した自由電子レーザによるミリ波、サブミリ波の研究を行っている。このマイクロウィグラーは、ウィグラー周期8mm,ギャップ長2mmのものであり、ここに電子ビームを伝搬させる必要がある。そこで電子ビームを薄いシート上に収束させる電子収束系の開発と、金属薄膜を利用して電子ビームを透過させながら、電磁波の反射鏡になる共振器の開発を行っている。
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