研究概要 |
本研究の目的は、スフェロマック型コンパクト・トロイド(CT)とスフェリカルトーラス(ST)プラズマ(スフェロマックからトカマク配位)との相互作用の解明とSTにおけるMHD緩和現象の探求である。本研究では、CTプラズモイドとSTのMHD緩和の性質を利用した実験をすることにより、STプラズマ中での磁気リコネクション機構や磁気ヘリシティ保存などの自己組織化の物理について総合的理解を深めることができる。 平成11年度のHIST装置を使った実験による研究実績は以下の通りである。 A 同軸へリシティ電流駆動の機構解明を目的として,各種計測によってヘリシティ生成維持されるSTプラズマの特性を明らかにした。計測内容は、1)多チャンネル磁気プローブを用いた内部磁界構造の時間発展の計測 2)マッハプローブによるプラズマ流速計測、3)高速フレーミングカメラを用いた同軸ガン内部のプラズマ発光撮影,である。これらの計測によって以下のことがわかった。 1)外部トロイダル磁界を印加しないスフェロマック配位プラズマでは,中心導体周辺のオープン磁束がヘリカルキンク変形後,リコネクションを起こすため,そこに流れる入射電流が中心部に向かって急速に拡散することによって磁気軸付近で間欠的に電流が駆動される。 2)外部トロイダル磁界を印加することにより,安全係数が1より大きなトカマク配位プラズマを形成することができる。この配位では,MHD揺動の軸対称性がよくなり,スフェロマック配位と違ってオープン磁束のヘリカル変形は見られず,同軸プラズマガン出口付近において、磁気リコネクションが間欠的に発生することによって、プラズモイドが生成され、閉じこめプラズマヘの入射と合体を繰り返すことによって、電流が間欠的に駆動される。 B 多チャンネル磁気ブローブ計測のための効率的なデータ収集と処理システムの構築を行った。
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