石炭ガス化においては、石炭中の窒素化合物が主にNH_3に転換され、ガスタービン燃焼器内の燃焼過程でFuel NO_Xに転換する。本研究で提案した新しいプロセスは、燃焼後生成したNO_Xを大量の排気ガスから脱硝する従来のプロセスと異なり、Fuel NO_X源のアンモニア(NH_3)を対象として、システムの上流(燃焼器の前、石炭ガス化炉の出口か脱塵装置)から除去することで、新しい脱硝プロセスに繋がる。そこで、本研究では、石炭ガス化燃料中のNH_3の固体金属酸化物による酸化に注目して、NH_3を燃焼前除去する。 固体粒子(NiO/YSZかNiO/NiAl_2O_4)を固定層型反応器中に充填し(50g)、NH_3(5000ppm)ガスを2000ml/minで導入した。反応器出口ガス中にN_2は観察されたものの、H_2は検出されなかった。したがって、NH_3はN_2に変換されるのが、NO_Xが生じないことが実験により確認された。その理由として、873KでNH_3の酸化反応が進むが、この温度ではNO_Xの生成温度より低いためである。 次に固体粒子が水素による還元雰囲気でNH_3のと接触した際、還元反応が進むとともに水素濃度が増加していく。かつ、還元中窒素の濃度が分解反応によって、高く、その後も、NH_3が継続して分解されていることが明確した。ここでは、NH_3は分解反応により、N_2とH_2に変換されて、非常に高い分解率98%が得られた。
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