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1998 年度 実績報告書

未利用エネルギーのカスケード利用による環境低負荷型地域エネルギーシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 10680481
研究機関名古屋大学

研究代表者

早川 直樹  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20228555)

研究分担者 加藤 丈佳  名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (90283465)
鈴置 保雄  名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (10115587)
キーワードエネルギーシステム / 未利用エネルギー / ヒートカスケーディング / 省エネルギー / エネルギー輸送 / 炭素税 / エクセルギー税 / 報奨金
研究概要

本研究では,未利用エネルギーの一つとして産業排熱を対象とし,熱輸送損失や民生需要,熱輸送コストを考慮して,異業種間ヒートカスケーディングの有効性評価を行った.また,炭素税の導入により,経済性と省エネルギー性の総合的評価を試みた.その結果,以下の知見が得られた.
(1) 異業種間ヒートカスケーディングの導入により,熱利用設備の燃料エネルギー消費量を約80%削減できる可能性がある.
(2) 熱輸送損失の増加にともない,排熱を蒸気と比較して輸送損失の少ない電力に変換して輸送・消費することが,エネルギー削減に有効である.
(3) 民生の敷地面積が50km^2以下である場合には,コンビナートの業種構成を最適化することにより,民生・産業を含めた地域エネルギーシステム全体で85%前後の燃料エネルギー消費量の削減が可能となる.
(4) 熱輸送コストが他の熱利用設備と比較して高い場合には,ヒートカスケーデイングによる省エネルギー性と経済性を同時に満足させることができない.
(5) 熱輸送コストが基準値の50%以下である場合や,10,000円/ton-C炭素税の導入を想定した場合には,省エネルギー性への経済的インセンティブが生じる.このため,経済性を目的としたヒートコンビナートにおいても,熱配管を用いた異業種間熱輸送が積極的に行われ,省エネルギー性を目的とした場合と同等の省エネルギー効果を得られる.
また,エネルギー利用の質を考慮した経済的インセンティブとしてエクセルギー税,およびエクセルギー効率に応じて支給される報奨金を提案した.その効果について評価を行った結果,以下の知見が得られた.
(6) エネルギー税のような経済的インセンティブの導入を行うことにより,エネルギーの効率的な利用が促進され,省エネルギー化が達成される.
(7) 経済的インセンティブとしてエクセルギー税,および報奨金を導入した場合には,エネルギー利用の質を考慮しているため,エネルギー税と比較して安価に省エネルギー化を実現できる.
(8) エネルギー税および報奨金制度は,工場内の効率改善を促進するために徴収する「供託金」制度とほぼ等価であり,その適切な運用により,当初から省エネルギー性を目的とした場合と同程度のコストで同程度の燃料消費量を達成することが可能となる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 若園芳嗣: "地域エネルギーシステムにおける産業排熱カスケード利用の有効性評価" '98大連・中国第2回持続可能な発展戦略国際シンポジウム. 58-65 (1998)

  • [文献書誌] 若園芳嗣: "ヒートカスケーディング導入促進に対するエクセルギー税の効果" 電気関係学会東海支部連合大会. 60 (1998)

  • [文献書誌] 若園芳嗣: "排熱のエクセルギーを考慮したヒートカスケーディング導入インセンティブ" エネルギー・資源学会第15回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス. 633-638 (1999)

  • [文献書誌] 若園芳嗣: "産業排熱の民生利用に対するエクセルギー効率を考慮した報奨金制度の適用効果" 予定. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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