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1998 年度 実績報告書

中性子捕捉療法用腫瘍集積性化合物の集積機構解明による開発

研究課題

研究課題/領域番号 10680486
研究機関信州大学

研究代表者

吉野 和夫  信州大学, 理学部, 助教授 (70143964)

研究分担者 平塚 純一  川崎医科大学, 講師 (30192298)
キーワード中性子捕捉療法 / p-ボロノフェニルアラニン / ^<11>B-NMR / 腫瘍集積性化合物 / 悪性黒色腫
研究概要

中性子捕捉療法は腫瘍に選択的に^<10>Bを集積させ、中性子を照射し、発生する核分裂エネルギーで腫瘍を破壊しようとする治療法である。悪性黒色腫に選択的に^<10>Bを集積させるp-ボロノフェニルアラニン(以下BPA)を用いて中性子捕捉療法が行われ、成果をあげているが、さらなる効果のために^<10>B集積量の増加が期待されている。そのためには集積メカニズムを解明し、それに基づいて腫瘍集積性化合物を合成することが重要である。本研究の目的は、^<11>B-NMRを用いて、BPAをはじめとする様々な腫瘍集積性ホウ素化合物の生体内での化学的挙動を調べ、その集積機構を解明し、かつ、坦癌動物による致死効果の研究により有効性を検討し、さらに集積性の高い化合物を開発することである。生体腫瘍組織の^<11>B-NMR測定は現有するJEOL LA400NBを用いて行った。組織中の^<11>B濃度が少ないため、数百万回の積算を行う必要があるが、得られたスペクトルはベースラインが大変大きく歪んだ。その原因のひとつとしてはプローブ中に含まれている可能性のあるホウ素に起因することが考えられたが、本年度の実験では特定できるまでにはいたらなかった。しかし、BPA中のホウ素濃度が数ppmの希薄水溶液まで^<11>B一NMRで測定できることが判明し、生体投与サンプル中のBPAの動態研究が可能であることがあきらかとなった。さらにBPAとチロシンのジペプチドの合成に成功した。本化合物の腫瘍集積性の確認までは行えなかった。次年度はその確認をすることを行い、かつ^<11>B-NMRを用いて腫瘍関連物質とこのジペプチドの間の相互作用について調べ、集積メカニズムを探る予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 吉野 和夫: "^<10>B-p-ボロノフェニルアラニンによる^<10>Bのメラノーマ細胞への取り込みとその集積機構" Skin Cancer. 8-11 (1998)

  • [文献書誌] 稲本 美郎: "ホウ素を含むアミノ酸誘導体のフッ素化" Kyoto University Research Reactor Institute-KR. 26. 52-55 (1998)

  • [文献書誌] 上條 まみこ: "p-ボロノフェニルアラニンとメラニンポリマー生成との関連(in vivo)" Kyoto University Research Reactor Institute-KR. 26. 56-62 (1998)

  • [文献書誌] 北沢 美幸: "p-BPA-フルクトース錆体の^<13>C-NMRによる‘Jccカップリング定数を用いた構造決定" Kyoto University Research Reactor Institute-KR. 26. 63-67 (1998)

  • [文献書誌] 北沢 美幸: "ホウ酸基を持つチロシン誘導体の合成の試み" Kyoto University Research Reactor Institute-KR. 26. 68-74 (1998)

  • [文献書誌] 吉野 和夫: "^<11>B-NMRによる微量ホウ素の定量" Kyoto Universitiy Research Reactor Institute-KR. 26. 75-79 (1998)

  • [文献書誌] 才竹 芳寛: "p-ボロノフェニルアラニンとチロシンのジペプチドの合成" Kyoto University Research Reactor Institute-KR. 26. 80-83 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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