研究概要 |
相対効率25%の高純度Ge検出器を用いて、ほとんど100%の放出率で2本のγ線を放出する^<24>Na,^<46>Sc,^<48>Sc,^<60>Co,^<88>Y,^<94>Nb,^<108>Agの測定を行った。検出器表面と線源の距離を約30cmと長く設定し、この測定で最も大きな不確かさの原因となるカスケードサム補正を0.01%以下に抑えた。測定結果より共分散を用いる最小2乗法により相対検出効率曲線を求めた結果、434keVから2754keVの範囲で両端を除いた中間領域で0.1%程度、両端では0.3%以下の推定標準偏差であった。同一条件で^<38>Cl(37.24min)を測定することにより1643keVと2167keVγ線の放出率比を0.7496±0.0011と高精度で決定した。さらに、^<60>Coの崩壊率を0.1%以下の不確かさで測定し相対検出効率曲線を絶対検出効率曲線に変換し、^<134>Csのγ線放出率測定を行った結果、0.3%の不確かさで決定できた。現在、低エネルギー側への範囲拡大及び^<152>Euのγ線放出率測定を行っている。 一方、4πβ-γ同時計測装置によるγ線放出率の精密検査では、医療への利用が期待される^<186>Re(89.25h)の137keV及び^<188>Re(16.98h)の155keVγ線を測定した結果、0.09487±0.00029及び0.15425±0.00072であった。さらに^<187>W(23.72h)のγ線放出率を測定した結果、従来の報告値が20%小さいことが判明した。
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