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1999 年度 研究成果報告書概要

黒雲母鉱物へのウランの特異吸着に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10680491
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 原子力学
研究機関九州大学

研究代表者

出光 一哉  九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10221079)

研究分担者 出光 一哉  九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10221079)
研究期間 (年度) 1998 – 1999
キーワードウラン / 黒雲母 / 特異吸着 / 解離定数 / pH依存性 / 脱離特性 / 比表面積 / 等電点
研究概要

ブロック状花崗岩を粉砕し、メッシュ30-60に揃えた粉末から、磁気分離により黒雲母を得た。この粉末を塩酸1N溶液により洗浄した後、純水で約1月間洗浄した。これらの試料の比表面積を測定した結果、塩酸洗浄により、比表面積は0.29から21.7m2に増加した。電子顕微鏡観察の結果、この比表面積の増加はピッティングによるものであることが分かった。塩酸洗浄した黒雲母粉末を水酸化ナトリウムおよび塩酸によって滴定した結果、この黒雲母試料の等電点はpH5付近であること、表面の解離定数として7.5の値を得た。この値はシラノール基、アルミノール基、3価の鉄の値とは異なり、2価の鉄の影響を受けているものと考えられる。
この黒雲母粉末を用い、バッチ法によってウランの収着実験を行った。ウランには233U(半減期16万年、100%α崩壊)の酸化物を硝酸に溶解させたものを用いた。この溶液を希釈し、pHを2から10に調整したものを収着実験に用いた。ウランの黒雲母への収着挙動は大きなpH依存性があり、pH6から7付近で収着のピークがあることが分かった。また、炭酸ガス雰囲気では、大気雰囲気に比べ、収着割合が著しく減少し、ピークもpH5付近に変化することが分かった。これらの挙動は、溶液中のウランの化学形によって説明することができ、特に電気的に中性の水酸化ウラニル存在率と相関があった。
収着後の試料を、1N塩化カリウム、1N塩酸あるいは硝酸と接触させウランを脱離させた結果、塩化カリウムでは10〜20%、塩酸あるいは硝酸でも50〜70%しか脱離されなかった。残るウランは特異吸着されたものと考えられる。αオートラジオグラフ測定の結果、これらのウランは主に鉱物表面の傷や、縁の部分に収着されていることが分かった。脱離をしてもこれらのウランは鉱物表面の傷や、縁の部分に留まることが分かった。

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公開日: 2001-10-23  

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