研究課題/領域番号 |
10680493
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
小島 史男 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70234763)
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研究分担者 |
友枝 謙二 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60033916)
久保田 直行 大阪工業大学, 工学部, 助手 (30298799)
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20197065)
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キーワード | 原子力工学 / 非破壊検査 / 材料評価 / 逆問題 / ソフトコンピューテイング / 保全工学 / システム情報処理 / モデリング |
研究概要 |
最新の磁場計測技術による渦電流探傷法に関する現状の調査および分類を行い、知的学習機能を含む非破壊評価法の確立をめざして研究初年度は以下の手順で研究を実施した。 (1) 電磁場逆解析手法の研究および解析コードの開発 蒸気細管に発生する欠陥の典型的な事例を調査し、その幾何学的特徴をスプライン関数にもとづく関数近似により表現する手法を確立した。検査プローブコイルに含まれる欠陥信号と欠陥形状との因果律を有限要素・境界要素併用法による解析モデルで記述し、欠陥情報を解析モデルの有限次元パラメータとして数式内に埋め込んだ順解析コードを作成した。 (2)計算知能化技術による欠陥形状再構成法の提案前段階で開発した順解析コードをパラメータ推定にもちいた逆解析コードがすでに開発されているが、実際の測定環境における検査過程を厳密に定式化することは困難である。そこで実環境における検査過程のあいまいさを考慮した方法論として、計算知能化技術を導入した。渦電流探傷法における信号解析は熟練したオペレーターによる黙視により傷データの特徴を捉えて診断をおこなっている。この傷形状と欠陥信号との関係を計算知能化技術により獲得する新しい枠組みを構築した。具体的には開発した順解析コードを援用し、遺伝的プログラミングと簡略化ファジイ推論の統合化による新しい欠陥形状推定計算法を開発した。 以上研究初年度においては、原子炉内蒸気発生器細管の微傷欠陥の幾何学的形状を同定する新しい計算手法を提案した。提案した計算法の有効性は現在計算実験で検証中である。今後実機によるデータを用いてさらに実システムへの適用可能性を検討する予定である。
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