研究課題
1) 京都周辺の森林におけるケーススタディ桐生(ヒノキ植林地)において、降水、土壌水、河川水、地下水、植物体内の水の同位体比を分析するためのサンプリングを行い現在分析中である。植物中の水は日本のような湿潤な地域では降水の同位体比の変化に連動して変化が大きい。また、植物中が蒸散して大気に戻す水の同位体比も土壌水(20〜30cm程度の比較的浅い層)の同位体比の変化と対応していた。2) シベリア(ヤクーツクとティクシ)、チベット高原とネパール、ブータン(約10点)、東南アジア(タイ国内3点)の降水のサンプリングを行い分析を開始している。また、ヤクーツクでは土壌水、植物中の水の同位体比の季節変化を観測した。シベリアでは夏の降水にd値が極めて低い降水が観測されたのに対し、チベットではd値が20程度と高かった。3) モデル化東大気候システム研究センターの大循環モデルへの同位体比の組み込みを行い、チベット高原における降水の同位体比の解析を開始した。