研究課題/領域番号 |
10680503
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研究機関 | 神戸商船大学 |
研究代表者 |
香西 克俊 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (30186613)
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研究分担者 |
境田 太樹 神戸商船大学, 商船学部, 講師 (20263410)
福士 恵一 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (20108848)
石田 廣史 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (60031473)
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キーワード | 水・油分離指標 / TOPEX / Poseidon衛星高度計 / 時系列海面高度場 / 地衡流向流速場 / ナホトカ号船首部漂流 |
研究概要 |
舞鶴海洋気象台観測船清風丸によりナホトカ号沈没地点付近の表層海水サンプリングを平成10年7月11日から15日にかけて実施したが、分析の結果、海水中に油分は認められなかった。一方、漂流油を用いた11月の屋外実験では、実際にナホトカ号船首部から抜き取られたC重油を水の入ったトレイの上に流して漂流油の分光反射特性を計測した。その結果、可視近赤外のLandsat TMの波長帯に相当する分光反射特性の組み合わせが、最も水と漂流油を区別できることを明らかにし、これを水・油分離指標と定義した。また、この指標を実際に漂流油を含むLandsat TM画像に適用し、水と漂流油を従来の方法に比べてより効果的に区別できることを確認した。地理情報システムを用いた衛星画像データベースの開発に関しては、表層海流に影響を及ぼす地衡流向流速場を明らかにするため、ナホトカ号船首部漂流期間を含む1996年から1997年までの日本海南部海面高度場をTOPEX/Poseidon衛星搭載高度計データを用いて推定した。時系列海面高度場を解析した結果、特にナホトカ号船首部漂流期間に関しては、北西風の影響に加えて、沈没地点付近にあった低気圧性及び高気圧性渦により引き起こされたと見られる南東流がナホトカ号船首部漂流に大きな影響を及ぼしている可能性を示唆した。 平成11年度は、9月21日より10月25日まで東京大学海洋研究所研究船白鴎丸によるNEAR-GOOSプロジェクトのための日本海における研究航海に乗船し、衛星と同期したナホトカ号沈没地点付近の現場観測を実施することにより時間空間的な漂流油の拡散とそれに影響を及ぼす海象気象現象を観測する予定である。また、得られる衛星および現場観測のデータセットは、現在開発中の衛星画像データベースに組み込む予定である。
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