1.神戸近郊を中心に、近景(建造物など)、中景・遠景(六甲山麓の高台、海岸からの眺望など)、街路ゾーン(市街地、公園、広場、モニュメントなど)の都市景観夜景を約500コマ程度デジタル写真撮リし、調査基礎資料とした。さらに、比較対象として、神戸と類似する横浜市のみなとみらい21地区、港の見える丘地区、東京の有明・台場・池袋・港区東京タワー地区など約300コマ基礎資料を収集した。 2.調査基礎資料を中心に以下を実施した。 (1).夜景の輝度分布に相当するグレイ(白黒)画像により、2次元空間周減衰係数特性を算出した。 (2).景観夜景の輪郭線情報を含む線画を抽出し、フラクタル次元を算出した。 (3).色彩色差計により、デジタル写真画像の明るさと輝度の関係を明確にした。 (4).2次元画像処理によりR・G・B分布を3次元表現を検討資料とする。 (5).[暖かい-冷たい」、「美しい-美しくない」など20項目の感情・快適性要因の相関とともに評価結果をSD法により因子分析により「柔らかさ」、「目立ちやすさ」、「美しさ」等の3つの因子に分類できることを明確にした。 (6).簡易型脳波計による生理的特性については、12〜14Hzのファスト・アルファ波および4〜7Hzのシータ波が心理評価項目と関連している可能性が認められた。 3.上記における、定量化要素とを総合的に評価検討を実施した。 心理的ある印象評価項目の「現代的な・古典的な」と「はっきりした・ぼんやりした」感覚が色彩分布、フラクタル次元、空間周波数減衰、脳波などとの間に相関があった。さらに、「明るい・暗い」、[派手な・地味な]、「動的な・静的な」、「鮮やかな・くすんだ」、「暖かい・冷たい」、「にぎやかな・さみしい」などの印象評価とも物理的要素が部分的に関連していることが判明し、定量的評価に役立つことが期待できる。
|