研究課題/領域番号 |
10680517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
巣山 弘介 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (70284023)
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研究分担者 |
伊藤 和人 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (20273922)
山本 広基 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (30112121)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 土壌生態系 / 農薬の影響評価 / 土壌微生物バイオマス / 土壌微生物フロラ / 土壌微生物活性 / クラスター分析 / バイオログプレート / 微生物指標の自然変動 |
研究概要 |
島根県松江市近郊にある近接した肥培管理の異なる2水田(農薬慣行水田および無農薬低資材水田)を対象に、微生物数、微生物物量、微生物活性および微生物フロラの年間変動を3年間にわたって調査した。 1.野外の圃場における微生物数、微生物物量、微生物活性の年間変動の調査 昨年の結果と同様に両水田の肥培管理の違いに関わらず、いずれの微生物指標についてもある一定の範囲内で変動を繰り返した。それぞれの調査項目の変動係数は、好気性細菌数(39〜46%)、糸状菌数(33〜52%)、好気性グラム陰性細菌数(51〜59%)、嫌気性細菌数(42〜61%)、アンモニア酸化細菌数(88〜174%)、微生物バイオマス窒素(19〜27%)、微生物バイオマスニンヒドリン窒素(32〜37%)、微生物バイオマス炭素(15〜30%)、ATP(28〜44%)、硝化活性(16〜20%)、アンモニア化成活性(39〜53%)、プロテアーゼ活性(31〜62%)であった。室内試験や短期の圃場試験の結果から土壌微生物に対する農薬の影響を評価する際には、これらの値を参照すべきであることを提案した。 2.野外の圃場における土壌微生物フロラの年間変動の調査 バイオログプレートの発色パターンに基づく土壌微生物フロラは、両水田ともに昨年と同様、湛水期(5〜8、9月)と非湛水期(9、10〜3月)で異なるクラスターに分類された。2年間を通してクラスター分析を行っても湛水期と非湛水期に分類され、年度間の違いは認められなかったことから、類似した微生物フロラが毎年形成されていることが示唆された。これらのクラスターからの逸脱の有無を指標に土壌微生物フロラに対する農薬の影響を評価すべきであることを提案した。
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