研究課題/領域番号 |
10680524
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
石原 陽子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50203021)
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研究分担者 |
郡 和宏 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60287315)
青柴 和徹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60231776)
丸山 良子 宮城大学, 看護学部, 助教授 (10275498)
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キーワード | 体液性免疫 / 細胞性免疫 / 加齢 / 呼吸器疾患 / 環境有害物質 / サイトカイン / NK活性 / リンパ球表面マーカー |
研究概要 |
環境有害物質暴露の高齢者や呼吸器疾患有症者の高感受性集団に対する生体影響を、免疫系指標で評価する手法を確立する目的で、体液性及び細胞性免疫系への加齢影響について12週齢、28週齢、56週齢のC57Black/6N線性マウスを用いて検討し、下記の点が明かとなった。 1. 体重は、加齢と共に増加し、56週齢では12週齢の約1.3倍であった。 2. 胸腺重量は12-56週齢では明確な差を認めなかったが、胸腺総細胞数は加齢と共に有意に低下した。 3. 脾重量は12-56週齢で明らかな増減を認めなかったが、牌総細胞数は12週齢、28週齢と比較して56週齢で約4.5倍に増加した。 4. 牌細胞のNK活性には12-56週齢では明らかな変動を認めなかったが、加齢によるNKl.1細胞の軽度な増加とAsia10GM1細胞の明らかな増加が認められた。 5. 免疫系機能の維持に関与する自律神経・内分泌系の関与の指標として測定したACTH量は、加齢と共に増加する傾向を示した。 6. 換気パターンへの加齢影響では、1回換気量、分時換気量、呼吸数は12と28週齢でほぼ同値を示したが、56週齢ではやや1回換気量と分時換気量の低下傾向を認めたが有意な変動ではなかった。 7. 肺組織各種サイトカインmRNA発現量の検討では、IL-1α,IL-6,MCP-3mRNAの加齢による発現量の低下を認めたが、RANTES mRNAは加齢により発現量の増加傾向を示した。 以上の結果から、免疫系の老化はリンパ組織重量の変動よりもその質への影響が先行し、58週齢では代償性反応により免疫機能のi維持、低下抑制が招来されている可能性が見いだされた。次年度では、58週齢以上の加齢マウスの免疫系機能について検索すると共に、若齢と高齢マウスで気管支炎モデルを作成し、その際の免疫機能の変動について詳細に検討する。
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