研究概要 |
[A]荒川の「水循環」システムの確立を目指す。 ・荒川の水質浄化には,「水質環境」を「水循環」の視点から検討する必要がある。 ・河川が本来持っている「自然浄化システム」の機能を充分発揮できる水質浄化作用を活用する。 (1)水源涵養林の育成と保全及び支援(水源林保全基金・緑の基金・下水浄化施設基金) ・源流域の水源林は,水を涵養し,守る「緑のダム」とも言われている。源流域の森林の保全・育成をし,地下水の涵養と保全するためにも,中・下流域の自治体・住民による財政的支援が必要である。 ・上・中流域の家庭・下水排水の合併浄化槽の設置と,財政的支援が必要である。(大滝村) (2)「水の循環システム」の確立(源流域・中流域・下流域でのそれぞれのシステムの確立) (3)「近自然河川工法」により,河川本来の自浄作用と活力を発揮させる。 ・特に,下流域の多自然型河川・自然護岸・干潟・ワンド・アシ原等の創出と生物との共存をはかる。 (4)河川は,上・中・下流域まで一本であり,統合的な水環境の河川行政が必要である。 (5)適切かつ積極的な河川政策と住民参加による,市民提案型の「川づくり」「水づくり」が重要である。 [B]荒川水系における「下水処理施設」の調査 ・荒川の水質は,都市下水道の完備や下水処理場の高度処理化及び上・中流域の下水合併浄化槽の設置により,年々,水質は徐々に改善されているが,今後も抜本的な対策が必要である。 (1)源流・上流域での合併浄化槽の設置(大滝村・10ヶ年計画が進行中) (2)荒川水系本流の下水処理場は5ヶ所,支流域には計7ヶ所以上の処理場が存在し,荒川中・下流で流入することにより,水質は悪化する。(3)今後,下水処理場の高度処理化対策が求められている。
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