研究課題/領域番号 |
10680542
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
片山 新太 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60185808)
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研究分担者 |
渡辺 彰 名古屋大学, 農学部・助教授, 助手 (50231098)
豊田 剛己 名古屋大学, 農学部・助教授, 助手 (30262893)
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キーワード | 芳香族化合物 / ^<14>C標識化合物 / キノンプロファイル / 部分阻害法 / 分解菌検出 |
研究概要 |
現在、ダネオキシン等の芳香族化合物が土壌等の環境に低濃度ではあるが残留し、人体や生態系への影響が懸念されている。低濃度多種類の芳香族化合物による汚染除去技術として、土着分解微生物の活性化による方法が有望視されている。合理的な土着微生物の活性化技術の実現のためには、土壌中の芳香族化合物の分解に関与する微生物群集を明らかにすることが必要である。本研究グループは、分解に関与する微生物群を測定する部分阻害法や^<14>C標識キノン法を開発してきた。本研究ではこれらの方法を用い、種類の異なる複数の芳香族化合物の土壌中での分解に関与する主要微生物群集を同定し、異なる土壌条件での主要分解菌群の変動と芳香族化合物の分解速度との関係を明らかにすることを目的としでいる。 2年間の研究期間の1年目である本年は、芳香族化合物分解菌群解析法(抗生物質による部分阻害法および^<14>C標識キノン法)の確立および一種の芳香族化合物の分解速度を調べた。^<14>C標識キノン法の確立のために、^<14>Cグルコースを用いて標識時間と分解速度の関係を明らかにした。グルコースの場合、2〜6時間で分解消失し、キノンの標識は6時間くらいまで単調増加することが示された。添加量によって、グルコース分解菌群は変化しなかった。代表的な環境汚染芳香族化合物であるフェノールと安息鉱酸を用い、土壌中の芳香族化合物が1種類の場合の分解速度を調べた。土壌有機物含量の多い土壌で分解速度が速かった。 今後は、^<14>C標識キノン法および抗生物質による部分阻害法によって、芳香族化合物の土壌中における分解菌を培地で培養することなしに検出する方法を確立する計画である。
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