研究課題/領域番号 |
10680554
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
岸田 治夫 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (40061527)
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研究分担者 |
湯本 雅恵 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10120867)
伊藤 泰郎 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (80061505)
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キーワード | NOx / パックドベッド / 沿面放電 / 無声放電 / 放電重畳 / 球状誘電体 |
研究概要 |
本研究では、放電重畳効果を適用したNOx低減を対象とするパックドベッド型リアクタの開発を目的とした。この放電リアクタは、平行平板電極構造で、電極板状には誘電体板としてガラス板を設置し、そのギャップ間に均一な球状誘電体を充填した構造である。商用周波数の交流高電圧を電極間に印加し、窒素で希釈したNOガスをリアクタ内に流通し、NOx分析計にて分解量を測定した。以下に本研究で得られた新たな知見等の成果を記述する。 1.平行平板電極間に球状誘電体を充填することで、ガスの流通空間が減少し、滞在時間が短くなるにもかかわらず、除去率の向上が図られた。このことは、本研究で用いたパックドベッド型リアクタでは、放電が重畳されていることによるものであり、その有効性を示した。 2.NOx除去に寄与する各種のパラメータのうち、NOx除去に最も適した電極構成として、以下の因子が重要であることを明らかにした。 (1)両電極板上に誘電体板を設置する。(2)球状誘電体と電極板上の誘電体板が接している。 (3)球状誘電体の充填層数を1層とする。(4)充填する球状誘電体の径は、3.0mm程度がよい。 以上のような電極構成としたときに、放電が空間全体に発生し、さらに電界が不均一となることで、部分的に放電が強くなり、結果として高いNOx除去率が得られることが示された。また、本リアクタの特徴である電極構成が、NOx除去特性に優れることが示された。 3.充填する球状誘電体の比誘電率が大きくなるほど、同一印加電圧では除去率は増加傾向を示すが、同一放電電力では飽和する。この原因として、比誘電率の異なる球状誘電体を充填することで、ギャップ間の電界が変化し、電圧-電流特性を変化させ、その電流の大小が除去率に影響を与える。
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