研究概要 |
Pseudomonas K-62株の水銀耐性オペロンの構造、機能、制御機構の解析および水銀浄化に用いる水銀耐性遺伝子の再構築を行った。今年度は以下の成果を得た。 1)pMR26の下流に存在する水銀耐性オペロンの塩基配列を決定したところ、1848-bpから成るオペロン(merR-o/p-merB-merD)の存在が見出された(Biol.Pharm.Bull.,22,910-914,1999)。 2)水銀化合物の輸送におけるmerTとmerPの関与を調べた結果、merTはHg^<2+>及びC_6H_5Hg^+の輸送に不可欠な遺伝子であること、また、merTタンパク質のCys24とCys25はHg^<2+>の輸送には関与するがC_6H_5Hg^+の輸送には関与しないことが明らかとなった(Biol.Pharm.Bull.,23,279-282,2000)。 3)有機水銀による本オペロンの誘導においては、merB遺伝子が必要であることが明らかとなった(J.Health Sci.,46,In press,2000)。 4)merR-O/P-merT-merPの下流にKlebsiella aerogenes由来のポリリン酸キナーゼ遺伝子ppkを組換えた融合遺伝子pMK27を構築した。pMK27上のmerT、merPおよびppkは大腸菌内で発現していること、また培地中のHg^<2+>がポリリン酸のキレート体として菌体内に回収されていることが明らかとなった。本融合遺伝子は環境中のHg^<2+>の回収に利用できると考えられた。
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