研究概要 |
平成10年度に引き続き、アメフラシ卵より精製した糖脂質EGL-IIの構造解析を行った。 1.EGL-IIはFAB-MS測定、HF(+)EGL-IIはSlMS測定を行った。その結果EGL-IIはm/z 2208,2222,2236,2250の(M-H)^-を、一方HF(+)EGL-IIはm/z1887,1901,1915,1929の(M-H)^-をそれぞれ示し、この分子量の差321は3分子の2-AEPnがEGL-IIの糖鎖に結合している事を示した。これは糖組成の分析、アミノ酸アナライザー分析結果に更なる確証を与えた。HF(+)EGL-IIのSlMS測定のフラグメントイオンからEGL-IIの糖配列はGal→(GlcNAc)Gal→(3-0-MeGal)GaL→(Gal)Gal→Glc→ceramideである事が明らかになった。一方、EGL-IIのFAB-MS測定のm/z805,819,833,847は(2→AEPn一Glc-cerarmide)^-の、m/z1357,1371,1385は〔(2→AEPn-Gal)(2→AEPn-Gal)-(2→AEPn-Glc)-ceramide]^-のmolecular ion speciesをそれぞれ示した。 2.NMR分析、メチル化分析など全ての分析結果より、EGL-IIの全化学構造を決定した。
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