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2000 年度 実績報告書

バンコマイシンおよび関連イソジチロシン型生理活性物質に関する化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10680574
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

西山 繁  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20137988)

キーワードMRSA / バンコマイシン / ジアリールエーテル / フェノール酸化 / アノード酸化 / タリウム(III) / 固相反応 / プンメラーケトン
研究概要

抗生物質などの化学療法剤が、様々な感染症に対して絶大な威力を発揮することは良く知られている。しかしこれらの薬剤を長期使用することによって出現する薬剤耐性の問題は深刻な脅威となっている。本研究は、MRSAによって引き起こされる院内感染症の特効薬として知られるバンコマイシンの分子レベルでの作用機作の理解に立脚して、VRE(バンコマイシン耐性菌)にも効果のあるより簡便な構造を有する活性物質の創製を最終目標として行ったものである。特にトリペプチド程度の低分子量物質が親抗生物質と同等の活性を示すためには、特定の立体化学を保持するジアリールエーテルを含む環構造が重要な要素を占めていると考えられる。報告者は、これまでに化学量論量のタリウム塩(III)を用いるチロシン誘導体のフェノール酸化により効果的にエーテル結合を構築出来ることを示してきた。本年度においては、本反応をより環境順応型に改良するために基質となるトリペプチドの合成をも含めて、一連の反応の固相化を行い、固相系においてもタリウムによる環化反応が可能であることを見出した。特に本法により、従来の溶液法では困難であった生成物の単離が安全かつ簡便に行えるようになった。
さらに、本フェノール酸化は、オルト位にハロゲン置換基を存在させることによりフェノールの酸化電位を低くするとともに、ハロゲンの種類により酸化反応の様式を制御することが出来る。本研究ではこの基質についてこれまで知られていなかったモノハロゲン化フェノールの反応様式をアノード酸化の手法を用いて調べた結果、ハロゲンを持たないフェノールのオルト位にラジカルが優先的に生ずること、Pummerer型ケトンが特長的に出来ること、さらにフェノールのオルト位のアルキル置換基が大きくなるほど2電子酸化成績体であるスピロ誘導体が優先的に得られることなどを明らかにした。さらにこの知見を基に、生成したスピロ誘導体の反応性についても検討した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Mori: "Phenolic oxidation of halogenated phenols."New Directions in Organic Electrochemistry (A.J.Fry and Y.Matsumura Ed.). 2000,15. 4 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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