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1999 年度 実績報告書

部位特異変異の手法を用いたヘム酵素の分子設計

研究課題

研究課題/領域番号 10680575
研究機関山形大学

研究代表者

小崎 紳一  山形大学, 教育学部, 助教授 (40280581)

研究分担者 渡辺 芳人  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (10201245)
キーワードヘム酵素 / ミオグロビン / ペルオキシダーゼ
研究概要

ミオグロビン(Mb)をヘム酵素モデルとして捉え、ヘム鉄の軸配位子が過酸化水素の活性化においてO-O結合の開裂に与える影響を考察するのが本年度の目標である。昨年の研究結果から、F43H/H64L/H93Y Mb等のように、遠位側と近位側のアミノ酸を同時に置換した変異体は6配位型の構造をしており過酸化水素と反応しないのことが明らかとなった。そこで、近位ヒスチジンを嵩の小さいグリシン残基に置換したH93G Mbに外部から様々なイミダゾールを導入した系(H93G(Im-X)Mb,Im:イミダゾール,X:置換基)を用いて実験を行った。イミダゾールの電子供与性とN-3位プロトンのpKa値および過酸化水素とH93G(Im-X)Mbとの反応速度との間には相関関係が認められた。すなわち、電子供与性が強いイミダゾールほど高いpKa値を持ち、過酸化水素との反応も速い。反応速度の違いは1pKaユニットの増加で1.7倍と小さいが、有意な差であると考えられる。一方、アジドとの結合速度とイミダゾールの電子共与性との間には明確な相関関係はなかった。従って、イミダゾールの電子供与性は、ペルオキシアニオンのヘム鉄への配位過程ではなく、O-O結合の開裂プロセスに対して影響を与えていると考えられる。H93G(Im-X)Mbにおいては遠位側にHis-64が存在するため、過酸化水素との反応ではO-O結合のイオン的開裂とラジカル的開裂とが混在する。そこで、過酢酸を酸化剤として用いて軸配位子のイオン的開裂の速度に与える影響を調べた。過酢酸は過酸化水素と同様で比較的小さい水溶性分子であり、また、良好な脱離基を持つためO-O結合の開裂はイオン的に進む。しかし、残念ながら、過酢酸はH93G(Im-X)Mbと反応しヘムの分解をひきおこすため、正確な反応速度を測定することはできなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Roach,M.P.; Ozaki,S.; Watanabe,Y: "Investigations of the Myogobin Cavity Mutant H93G with Unnatural Imidazole Proximal Ligands as a Modular Peroxide O-O bond Cleavage Model System"Biochemistry. 39. 1446-1454 (2000)

  • [文献書誌] Matsui,T.; Ozaki,S.; Watanabe,Y.: "Formation and Catalytic Roles of Compound I in the Hydrogen Peroxide-Dependent Oxidations by His64 Myoglobin Mutants"Journal of the American Chemical Society. 121. 9952-9957 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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