研究課題/領域番号 |
10680585
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
棚瀬 純男 熊本大学, 医学部, 助教授 (20112401)
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研究分担者 |
檜垣 強 熊本大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70128304)
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キーワード | アラニン酸 / アミノ基転移酵素 / 基質特異性 / タンパク質工学 / 変異酵素 / 補酵素 / ビタミンB6 / PCR |
研究概要 |
アミノ基転移酵素群では、アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AspAT)の研究が最も進んでおり、結晶構造の解析や部位特異的突然変異体の研究により、基質特異性を規定している酵素構造と触媒反応機構との関係が明らかになりつつある。しかし、他のほ乳類アミノ基転移酵素の基質特異性と酵素構造との相関は、立体構造解析の進捗の遅さもあり解明が進んでいない。ここでは、1)ヒトアラニンアミノ基転移酵素(AlaAT)の微生物での発現系の構築、2)推定される基質結合部位を中心とした変異型酵素の作成と機能解析、3)さらにはAlaATの厳密な基質特異性を規定している構造要因を特定し、他のアミノ基転移酵素のそれと比較検討することにより、多くのアミノ基転移酵素群に共通するジカルボン酸に対する選択性と、その共通性と相反する個々のアミノ基転移酵素に固有の基質特異性を担う構造要因に関して解析することを目的とする研究を開始し、以下の成果を得た。 1. ヒトAlaATをコードするcDNAの欠失していたアミノ基末端側3残基分を、昨年度明らかにした遺伝子構造を参考に作成したプライマーを用いたPCR法により補完し、完全長cDNAを得た。 2. 大腸菌pETベクターに上記のcDNAを組み込み、IPTG存在化での発現効率を検討した。3. 酵母菌を発現宿主とする発現系(ADHプロモーター)を構築したが、期待した発現レベルが観察されなかったことから、染色体組み込み形ベクターを利用するための検討を開始した。 4. 5'末端側塩基配列を、AT/GC比や発現宿主のコドン利用率を考慮し、アミノ酸配列を変更しない範囲で発現効率を高める配列に変更する実験を開始した。
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