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1999 年度 実績報告書

テロメアDNA結合蛋白質TRFの高次構造とテロメアDNA認識機構

研究課題

研究課題/領域番号 10680593
研究機関理化学研究所

研究代表者

鳥越 秀峰  理化学研究所, 細胞材料開発室, 先任研究員 (80227678)

研究分担者 緒方 一博  神奈川科学技術アカデミー, タンパク機能制御プロジェクト研究室, 室長 (90260330)
キーワードテロメアDNA / DNA結合蛋白質 / 高次構造 / DNA認識機構
研究概要

哺乳類の染色体の末端に存在するテロメアDNAは(TTAGGG)nの反復配列からなり、染色体の構造安定化に寄与する。テロメアDNAは紳胞の老化と共に短縮し、生体内時計としての役割を果たす。しかし、細胞が癌化、不死化すると短小化が停止し、伸長するようになる。このようにテロメアDNAは、細胞の老化や癌化と密接な関係にあり、急速に注目されている。テロメアDNA伸長反応には、テロメラーゼと共にテロメアDNAに特異的に結合する蛋自質が関与する。TRFl蛋白質は哺乳類のテロメアDNAに特異的に結合し、テロメアDNAの長さを監視しながら、テロメラーゼのテロメアDNA伸長活性を負に制御する。TRFlのDNA結合領域は、転写因子MYBのDNA結合領域と一次配列上高い相同性を有する。
昨年度の研究では、ヒトTRF1は全長でなくMYB様のDNA結合領域のみでも、テロメアDNAと比較的特異的にかつ強く結合できることを明らかにした。またヒトTRFlのDNA結合領域が結合するのに必要な標的テロメアDNAの長さは、16塩基対であることも明らかにした。本年度の研究では、マウスTRFlについても検討を行い、マウスTRFlのMYB様のDNA結合領域が同様の性質を有することを明らかにした。また、ヒト及びマウス双方のTRFl全長に対応する遣伝子をpETベクターに挿入し、大腸菌で発現する系を構築し、発現した蛋白質を精製する方法を確立した。ただ、大腸菌内での発現量が必ずしも満足できる量ではないため、開始コドン近傍にあるマイナーコドンをメジャーコドンに改変した発現プラスミドを構築して大腸菌で発現させたり、in vitro転写翻訳系を利用した蛋白質合成系で発現させたりして、ヒト及びマウスTRF1全長蛋白質の収量を上昇させる努力をしている。とりあえず大腸菌から精製したヒト及びマウスTRF1全長蛋白質と標的テロメアDNAオリゴヌクレオチドとの複合体の結晶化を進めつつあり、ヒト及びマウスTRFl全長蛋白質とテロメアDNAとの複合体の三次元構造を決定する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Torigoe: "Structural and thermal properties of Oxytricha telomere DNA sequences containing guanine and 6-thioguanine : Effect of monovalent cations"J.Inorganic Biochem.. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] H.Torigoe: "Structural polymorphism and thermal stability of Tetrahymena and Oxytricha telomere DNAs : Spectroscopic and thermodynamic studies"Nucleic Acids Res.. 28(印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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