研究課題/領域番号 |
10680599
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
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研究分担者 |
紺谷 圏二 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30302615)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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キーワード | シグナル伝達 / ストレス応答 / キナーゼカスケード / 肝形成 |
研究概要 |
SEK1/MKK4やSEK2/MKK7は、炎症性サイトカインなどの様々なストレス刺激に応答し、SAPK/JNKを活性化するキナーゼである。我々の成果も含め多くの報告が、免疫系や発生におけるSAPK/JNKの活性化の重要性を指摘している。本年度は、以下の諸点を明らかにした。 1)c-Jun欠損マウスもSEK1欠損マウスもともに、肝実質細胞数の低下とその後のアポトーシスの亢進により胎生致死となるが、その程度はSEK1欠損の方がc-Jun欠損より重度であった。 2)造血の場である胎児肝の形成過程と造血との関わりを詳細に解析するために、胎児肝を特異的に認識するモノクローナル抗体を複数作製した。このうちの一つ抗Liv1抗体は胎児肝を特異的に染色した。興味深いことに、SEK1欠損胎児肝にはLiv1陽性細胞は観察されなかった。SEK1がLiv1の発現を制御している可能性が示唆された。また、成体肝では、Liv1陽性細胞は肝実質細胞に比べて小さな細胞として少数存在することが明らかとなった。Liv1陽性細胞が肝幹細胞として機能している可能性を検討中である。 3)Cre-loxPを用いた条件付き遺伝子破壊法によって、sek2遺伝子破壊を誘導した。興味深いことに、SEK2欠損によって既にES細胞レベルで致死になることが判明し、SEK2が細胞の生存に必須の役割りを果たしていることが示唆された。
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