|
1.N-メチル-D-アスパラギン酸の高速液体クロマトグラフィーによる分離定量
生物組織の抽出液をo-phthalaldehydeとN-acetyL-L-cysteineで処理した後、(+)-1-(9-fluorenyl)ethyl chloroformateで誘導体化することによりN-メチル-D-アスパラギン酸を高速液体クロマトグラフィーで分離定量することが初めて可能になった。
2.アカガイにおけるN-メチル-D-アスパラギン酸の臓器・組織分布
従来、知られていたアカガイの足の筋肉のほかに、外とう膜、貝柱、えらなどにも筋肉に匹敵する含有率でN-メチル-D-アスパラギン酸が検出された。
3.他の生物の組織におけるN-メチル-D-アスパラギン酸の分布
二枚貝では、サルボウガイ、ハマグリ、イワガキ、ホタテガイ、ムラサキイガイにもその含有が明らかになったが、アサリ、セタシジミ、サラガイ、ウバガイなどには検出されなかった。他に調べた種々の無脊椎動物、脊椎動物のいずれにも検出されなかった。
4.N-メチル-L-アスパラギン酸の発見と同定
アサリ及びセタシジミにはN-メチル-D-アスパラギン酸が含まれないが、代わりにN-メチル-L-アスパラギン酸が含まれることが明らかになった。これは動物体からの本化合物の最初の発見例である。
5.アカガイにおけるN-メチル-D-グルタミン酸の存在
アカガイにはN-メチル-D-グルタミン酸の存在が示唆され、これを同定中である。
|
