研究概要 |
生命の維持に必須の糖新生に、2つの活性型脂溶性ビタミンA、Dが直接的に関与することを証明し、その分子作用メカニズムを明らかにすることができた。 1)ヒトFructose-1,6-bisphosphatase(FBPase)遺伝子の転写制御領域に存在する一つの応答領域fbp-RARE/VDRE(-340 to -326)が、RARおよびVDR両核内レセプター蛋白による転写誘導に機能するという非常に興味深い結果をレポーターアッセイにより明らかにすることができた。さらに、RARE/VDREの配列特異性を変異配列オリゴDNAで証明した。 2)このRARE/VDRE標的配列に、VDR-RXRおよびRAR-RXR heterodimersがそれぞれのリガンド存在下で特異的に結合することを、Electrophoretic mobility shift assayにより証明した。 3)これらの結果はビタミンD3や活性型レチノイン酸(atRA,9cRA)の脂溶性リガンドが単球系血管細胞におけるヒトFBPase遺伝子発現の重要なモジュレーターであることを示している。 4)ドイツ人のFBPase欠損症患者の15症例中3症例にのみ、コーディングフレーム上に変異を同定し、他の12症例では検出されず、発現制御の変異が考えられた。
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