研究概要 |
2つの脂溶性ビタミンA、Dが、生命の維持に必須の糖新生に、直接的に関与することを証明し、その分子作用メカニズムを明らかにすることができた。 1)ドイツ人のFBPase欠損症患者における突然変異の検出。 15症例中3症例にのみ、コーディングフレーム上に変異を同定し、他の12症例では検出されず、発現制御の異常が考えられた。 2)ヒトFBPase遺伝子の転写制御領域のクローニングと塩基配列の決定した。 3)ヒト単球およびHL60白血病細胞において、FBPase遺伝子が活性型レチノイン酸(atRA,9cRA)およびビタミンD3により発現誘導されることを明かにした。 4)この転写制御領域に存在する一つの応答領域RARE/VDREがRARおよびVDR両核内レセプター蛋白による転写誘導に機能することを、in vivo,in vitroの両アッセイ系で明かにした。 5)以上のように、両脂溶性ビタミンが単球系血液細胞におけるFBPase遺伝子発現の重要なモジュレータであることを示すことができた。 6)FBPase欠損症の遺伝子診断において、本遺伝子の転写制御領域の解析も重要であることが示された。
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