研究課題/領域番号 |
10680609
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
米澤 一仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (70283900)
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研究分担者 |
原 賢太 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (70294254)
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キーワード | アミノ酸 / ロイシン / 細胞増殖因子 / ラパマイシン / mTOR / 蛋白合成 / p70S6キナーゼ / eIF4E結合蛋白 |
研究概要 |
免疫抑制剤であるラパマイシンの細胞内標的蛋白として同定されたmTOR(mammalian target of rapamycin)は、全長約2500のアミノ酸残基からなり、そのカルボキシル末端近傍にはラパマイシン結合部位および脂質リン酸化酵素のキナーゼドメインに似た構造が存在する。 これまでに我々が得た知見として、以下の事を見いだした。 (1)mTORは細胞環境中のアミノ酸バランスを感知し、蛋白合成にかかわるp70S6キナーゼやeIF4E結合蛋白の制御を行っている事。 (2)細胞増殖因子による蛋白合成活性化シグナル伝達に、アミノ酸-mTORを介したシグナル系の活性化が必須である事。 (3)アミノ酸の中でも、ロイシンに最も強い効果がある事。 これらをふまえ、本年度は以下のような新知見を見いだした。 (1)mTORがp70S6キナーゼを直接リン酸化する蛋白質リン酸化酵素であり、このリン酸化によりp70S6キナーゼ活性は上昇した。その主なリン酸化部位は412番のスレオニンであった。 (2)mTORがp70S6キナーゼのリン酸化に続いて、細胞増殖因子によって活性化されるphosphoinositide dependent kinase 1(PDK1)を作用させるとp70S6キナーゼは100倍以上に活性化され、両酵素のsynergisticな働きをin vitroで示し得た。 (3)生体内における蛋白合成活性化には細胞増殖因子からのシグナル伝達にとってアミノ酸-mTOR系がプライミングシグナルとして働いている可能性を示した。 (4)mTOR結合蛋白分子として、生化学的方法あるいはyeast two hybrid法により複数の候補分子を得、現在解析中である。 (5)ロイシンの誘導体にp70S6キナーゼ活性化やT細胞などの細胞増殖能を抑制する物質を見出し、現在解析中である。
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