研究課題/領域番号 |
10680611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
虎谷 哲夫 岡山大学, 工学部, 教授 (70026318)
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研究分担者 |
山西 守 岡山大学, 工学部, 助手 (30240063)
飛松 孝正 岡山大学, 工学部, 助教授 (30188768)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | B_<12>補酵素 / ジオールデヒドラターゼ / グリセロールデヒドラターゼ / 結晶構造解析 / カリウムイオン / 密度汎関数法 / 再活性化因子 / 分子シャペロン |
研究概要 |
B_<12>補酵素のジオールデヒドラターゼヘの結合様式を明らかにするために、電子常磁性共鳴測定を行った結果、本酵素は、補酵素を"base-on"型で結合すること、および下方配位子のかさ高な塩基がラジカル中間体の保護に寄与していることが明らかとなった。ジオールデヒドラターゼとシアノコバラミンの複合体を結晶化したところ、2種類の結晶が得られ、それらは2.2Å、3.0Å分解能の範囲までの回折像を与えた。結晶構造解析の結果、コバラミンは下方配位子の塩基がコバルトに配位したままで酵素に結合していた。活性部位はTIMバレル内部にあり、ラジカル中間体が副反応から守られている。活性部位のK^+に基質の2つの水酸基が配位していることも新規な構造である。理論計算の結果、水酸基の移動は環状遷移状態を経由する協奏機構で進行することが示唆された。活性部位のK^+は遷移状態のエネルギーを下げ、また基質結合エネルギーを大きくすることにより間接的にコバルト-炭素結合の活性化に寄与すると推定された。 Klebsiella oxytocaのジオールデヒドラーゼ再活性化因子の遺伝子と同定された遺伝子の産物を精製して機能を調べたところ、この推定再活性化因子は、グリセロールやO_2で不活性化されたホロ酵素を再活性化することがin vitroで初めて示された。再活性化因子の作用機作を解明し、この因子がADP存在下で高親和性型となり、酵素の立体構造変化を引き起こすことにより固く結合している修飾された補酵素を解離させること、そしてATPが酵素-再活性化因子複合体を解離させて活性なアポ酵素を生成させることを示した。この因子は1種の分子シャペロンと考えられる。グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子の遺伝子も初めて同定した。この再活性化因子は酵素遺伝子近傍の2つの遺伝子によってコードされ、ジオールデヒドラターゼ再活性化因子と高い相同性を示した。
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