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1998 年度 実績報告書

インテグリンを介するシグナル伝達の制御機構とその多様性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10680624
研究機関大阪大学

研究代表者

関口 清俊  大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)

研究分担者 眞鍋 理一郎  大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 研究員 (30280837)
李 紹良  大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40252720)
キーワードフィブロネクチン / インテグリン / ラミニン / シグナル伝達 / 細胞接着 / TM4SF
研究概要

細胞外マトリックスからインテグリンを介して細胞内に伝達されるシグナルの多様性とその制御機構を明らかにするため、間質と基底膜の代表的なマトリックス分子であるフィブロネクチン(FN)とラミニン(LN)に注目して解析を行い、以下の成果を得た。
1) 選択的スプライシングにより生じるEDA+とEDA-の2つのタイプのフィブロネクチンアイソフォームを遺伝子工学的に調製し、インテグリンα5β1結合活性とインテグリンを介する細胞内シグナル伝達因子の活性化能を比較検討した。その結果、EDA+FNはEDA-FNに比べて、インテグリンα5β1への結合親和性が増加していること、インテグリン依存的なp130Casのリン酸化とMAPキナーゼの活性化が2〜3倍亢進していることを見いだした。また、EDA+FNはEDA-FNよりも基質依存的なDNA合成をより強く誘導し、これはインテグリンα5β1からのシグナルに依存したcyclin D1の発現誘導の亢進とそれに伴うpRB蛋白質のリン酸化の亢進によることを明らかにした。
2) ヒト肺癌細胞A549の培養上清より、成体組織の主要なLNであるLN10/11をはじめて精製することに成功した。LN10/11はLN5と同様、インテグリンα3β1により認識されること、LN5とLN10/11はほぼ同等の非常に強い細胞接着活性と細胞遊走促進活性を持つことを明らかにした。
3) インテグリンα3β1と一緒にヒト胎盤から精製される分子量30kDの蛋白質を同定し、これが膜4回貫通型蛋白質ファミリーTM4SFに属するCD151であることを明らかにした。CD151を特異的に認識する単クローン抗体を作成し、ヒト組織での局在を検索した結果、腎臓では糸球体に強く発現しており、その局在部位はインテグリンα3β1と非常によく一致していた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Fukushima et al.: "Integrin α3β1-mediated interaction with laminin-5 stimulates adhesion,migration,and invasion of malignant glioma cells." International Journal of Cancer. 76. 63-72 (1998)

  • [文献書誌] Y.kikkawwa,et al.: "Isolation and characterization of laminin-10/11 secreted by human lung carcinoma cells" The Journal of Biological Chemistry. 273. 15854-15860 (1998)

  • [文献書誌] G.A.Taylor et al.: "Decreased fibronectin expression in Met/HGF-mediated tumorigenesis" Oncogene. 17. 1179-1183 (1998)

  • [文献書誌] R.Manabe et al.: "Matrix engineering:A new technology for manipulating the structure and function of extracellular matrix" Connective Tissus.

  • [文献書誌] R.Manabe et al.: "The alternatively spliced EDA segment regulates fibronectin-dependent cell cycle progression and mitogenic signal transduction." The Journal of Biological Chemistry.

  • [文献書誌] 関口 清俊: "細胞外マトリックス研究法、第5巻 機能解析法(下)" コラーゲン技術研修会, 105 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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