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1998 年度 実績報告書

無脊椎動物蛋白質に発見される新しい構造モチーフ

研究課題

研究課題/領域番号 10680625
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

河野 敬一  富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (10136492)

研究分担者 川畑 俊一郎  九州大学, 理学部, 助教授 (90183037)
キーワードタキサイチン / タキスタチン / ASABF / NMR / 立体構造 / 抗菌蛋白質 / カルシウムチャンネルブロッカー / 線虫
研究概要

ポスト・ヒューマンゲノム計画として考えられるのは、膨大な遺伝子資源である昆虫を含む無脊椎動物である。無脊椎動物由来の蛋白質は、多種多様な生理活性と機能を持っており、遺伝子の解明が進むことにより脊椎動物では予想もできないセンサー、調節機構、生体防御機構、代謝機構に関する新しい機能が発見される可能性がある。これらの無脊椎動物の多様な働きを理解するためには、蛋白質の立体構造を解明することが極めて重要である。
本研究では、カブトガニ、線虫等の抗菌蛋白質をとりあげ、その立体構造をNMRによって明らかにした。
1. タキサイチンの解析については、主鎖アミドプロトン68個のうち65個の信号の帰属が明らかとなり、3本鎖βシート構造からなる部位と、2本鎖βシートと短いヘリックスからなる部位が存在することが明らかとなった。後者の部位は植物由来のキチン結合蛋白質ヘベインと類似した立体構造をとっていることから、タキサイチンのキチン結合部位はこのドメインであることがわかった。これは一次配列から予測された部位とは異なる部位であった。
2. タキスタチンは、3本鎖βシート構造からなり、クモ毒のアガトキシンIVAと類似した立体構造であることが明らかとなった。タキスタチンにはアガトキシンIVAのカルシウムチャンネルブロッカー活性がないことから、アガトキシンにのみ存在するC端のフレキシブルな部分がブロッカー活性には重要であると考えられる。逆にアガトキシンにはキチン結合活性が存在することから、両者に共通するコア構造がキチン結合活性には重要であることが推定される。
3. ASABFについては酵母の培養条件を細かく検討することにより、ASABFの純度を向上させることに成功した。NMRによる立体構造解析によりαヘリックス1個、βシート1個からなり、insect defensinと類似した構造であることが判明した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] M.Yoshino 他: "Interaction of aluminum ion with ATP.Mechaxism of the aluminum inhibition of glycerol kinase and its reversal by spermine," BioMetals. 11. 63-67 (1998)

  • [文献書誌] Y.Abe 他: "Detection of local interaction of hen lysozyme under highly denaturing conditions using chemically βC-enriched methionine resonance." J.Biochemistry. 123. 313-317 (1998)

  • [文献書誌] T.Aizawa 他: "Adsorption of Guman lysozyme outo hydroxyapatite.Identification of its adsorbing site using site-directed mutagenesis" FEBS Letters. 422. 175-178 (1998)

  • [文献書誌] T.Koshiba,他: "Calorimetric study of mutant human lysozymes with partially introduced co^<2+> bindixg sites and its etticient refolding system from inclusiox bodies." Protein Engineering. 11(8). 683-690 (1998)

  • [文献書誌] M.Kikuchi 他: "Calcium-binding and structural stability of echiclna and canine milk lysozymes." Protein Science. 7. 2150-2155 (1998)

  • [文献書誌] T.Aizawa 他: "Solution structure of an insect growth factor,groutr blocking peptide." J.Biol.Chem.274(4). 1887-1890 (1999)

  • [文献書誌] 阿久津秀雄,河野敬一: "多核NMR-自然を複眼で見る-" 廣川書店, 143 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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