研究課題/領域番号 |
10680628
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
本多 元 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20192742)
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研究分担者 |
松野 孝一郎 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10120346)
今井 栄一 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (30134977)
羽鳥 晋由 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (00283036)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | アクチン / ミオシン / トロポニン / 滑り運動 / ATP / トロポミオシン / カルシウム調節 / 分子集合体 |
研究概要 |
筋肉の生理活性は運動することであり、ミオシンATPaseによって解放されたエネルギーをどの様に使っているかを知ることが重要である。 アクチン―アクチン間の動的構造と機能との関係として、アクチン繊維の特定部位の運動を高精度で観察した所、エネルギー源のATP濃度が低い場合、運動が不連続に起こっていることがわかった。たま、ATP濃度上昇に伴い、熱運動に近い等方的な運動から一方向性の運動が現れてくる過程が観察・測定できた。さらに、運動中の繊維局部に作用する力を測定したところ、作用する力が繊維後方に伝播していることがわかった。これらの力により、運動中の繊維は大きく変形を受け、見かけの長さが30%近く変化することがわかった。加えて、この歪により、アクチン繊維は受け取るエネルギー量の多少に関わらず一定の滑り運動を実現できることがわかった。 調節アクチン繊維内にアクチン2量体、3量体を10%ほど含ませると、カルシウム調節能が失われた。カルシウム濃度によらず2量体では運動性が見られ、3量体では運動性を示さなかった。 トロポミオシンを含まず、トロポニンを直接結合させたアクチン繊維では、結合量が飽和したときに、約50%の繊維が運動を停止したが、残りの50%はまったく影響を受けなかった。 以上の結果から、アクチンに関わる分子間の(動的)相互作用がすべり運動という機能を発現するのにきわめて重要であることがわかった。
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