研究課題/領域番号 |
10680631
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 直哉 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50222063)
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研究分担者 |
飯田 荘象 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80022664)
木島 博正 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30012397)
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キーワード | シナプス / カルシウム感受性蛍光色素 / 共焦点顕微鏡 / カルシウムイオン / 神経筋接合部 / シナプス前末端 / 短期可塑性 |
研究概要 |
1.高速共焦点顕微鏡によるCa^<2+>ドメインの可視化 カエル神経筋シナプス前末端において2ミリ秒の時間分解能での高速のCa^<2+>イメージングに成功し、電位依存性 Ca^<2+>チャネルから流入したCa^<2+>により形成される空間的にヘテロなCa^<2+>濃度分布(Ca^<2+>ドメイン)を可視化した。Ca^<2+>ドメインは神経刺激後5〜15ミリ秒の時間に存在し、25ミリ秒程度たつとほぼ一様になることが判った。 2.シナプス前末端内Ca^<2+>除去のミトコンドリアの寄与 我々はカエル神経筋シナプス前末端内のCa^<2+>動態解析から、前末端内に速くて大容量のCa^<2+>除去機構が存在することを明らかにしてきたが、この機構がミトコンドリアへのCa^<2+>取り込みであることを以下のように実験的に示した。ミトコンドリア内のCa^<2+>濃度変化をRhod2で測定したところ、連続刺激中で前末端内のCa^<2+>濃度上昇がプラトーに達したあたりからミトコンドリア内のCa^<2+>濃度が上昇し始め、連続刺激終了後は前末端内Ca^<2+>濃度は速やかに減少したのに対して、ミトコンドリア内Ca^<2+>濃度は非常にゆっくりとしか減少してゆかなかった。ミトコンドリアからのCa^<2+>放出をクロナゼパムを用いて抑制すると、100Hz30〜100回刺激終了後の末端内Ca^<2+>濃度の減衰が速くなることからも、取り込まれたCa^<2+>が連続刺激終了後にミトコンドリアからゆっくり放出されることが示された。 3.前末端内におけるCICRの短期可塑性(増進・増強)への寄与 低Ca^<2+>リンガー中での20Hz×450回刺激による増進・増強成分の誘起に前末端内におけるCICR(Ca^<2+> induced Ca^<2+> release)が寄与していることを示した。ERからのCa^<2+> releaseを抑制するTMB-8を外液に加えると、連続刺激中のEPC増強が可逆的に抑制された。
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