研究課題/領域番号 |
10680643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
吉村 英恭 明治大学, 理工学部, 教授 (70281441)
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研究分担者 |
小野 治 明治大学, 理工学部, 教授 (50130802)
荒川 薫 明治大学, 理工学部, 教授 (30183734)
武野 純一 明治大学, 理工学部, 教授 (90130822)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 投影型X線顕微鏡 / 断層法 / CT / コンピュータトモグラフィ / 立体構造再構成 / 臨界点乾燥 / ワラジムシ / メダカ幼魚 |
研究概要 |
この研究で使用したX線顕微鏡は、分解能が光学顕微鏡より高く、焦点深度も深い。この特徴を生かして、CT(computed tomography)法により立体構造を調べることができるX線顕微鏡を開発した。いろいろな方向からの投影像を得るために試料を精密に回転させるパルスモーター駆動の回転ステージを試作し、ワラジムシ、アリ、メダカの幼魚などの内部立体構造を調べた。ワラジムシでは消化管の分布などの立体構造を再構成できたが、アリの場合はコントラストが不足して十分な再構成像を得ることができなかった。そこで、まず像を記録するX線CCDカメラのX線窓となっているベリリウムの厚さを500μmから100μmに薄くして、波長の長いX線成分を透過するように改良した。また、使用しているCCDカメラは、X線の照射により素子が飽和すると映像の他の部分に「しみだし」が起こるので、コントラストの弱い試料をS/Nよく記録するために露光量を上げて撮影することができなかった。そこで、短い露光時間の像を加算平均してS/Nを上げることを試みたが、このCCDカメラは光子の蓄積とデータの転送が同時に行われるため、データ転送時のノイズが入り画像の質の向上にはならなかった。このことを回避するため、データ転送時にはX線の入射を止めるように、CCDカメラのデータ転送と連動して動作する電動シャッターをX線顕微鏡に取り付けた。これらの改良によりコントラストの弱い試料でもS/Nのよい投影像を記録できるようになった。 これらの改良を加えたX線顕微鏡を用いて、試料を1度おきに360度回転させて投影像を撮影し、フィルタ補正逆投影法を用いて立体像を再構成した。3次元像の可視化にはAVSを使う。現在までのところ3μm程度の分解能で立体像が得られている。さらに回転軸のぶれを補正して1μm以下の分解能を得る予定である。
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