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1998 年度 実績報告書

トランストランスレーションの分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 10680645
研究機関弘前大学

研究代表者

姫野 俵太  弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (80208785)

キーワードtmRNA / trans-translation / 10 Sa RNA / transiation / RNA / small stable RNA / alanyl-CRNA synthetase / riboseme
研究概要

tmRNAはtRNAとしての機能とmRNAとしての機能を合わせ持つRNAで、2本のmRNAから1つのポリペプチドを作り出すという変則的な翻訳(トランストランスレーション)を行う。本研究はtmRNAの構造と機能を明らかにすることで、トランストランスレーションの機能の解明を目指すものである。
tmRNAはtRNAドメインの一端から派生する長いステムの先端部分が4つのシュードノット構造を含む大きなループを形成するという構造をとることが、配列比較や化学修飾実験などから示唆されている。そして、最初の二つのシュードノット構造に挟まれるように2個目のmRNAとして働く部分、すなわちタグペプチドをコードする領域が配置している。
本年度はまず、mRNAドメインの直前に配置されている1つ目のシュードノット構造に着目して、その構造と機能の解析を行った。まず二つのステム部分を壊すようにそれぞれ変異を導入したところ、Tmが大きく変化すると同時にアミノアシル化活性そして特にin vitroでのトランストランスレーション活性に大きな影響が現れた。ステム構造を戻すような変異を更に加えてみたところ、Tmは元に戻り、アミノアシル化活性とトランストランスレーション活性も元に戻った。この結果は、予想されたシュードノット構造が確かに存在していること、そしてこのシュードノット構造がトランストランスレーションに必須であることを示している。現在、NMRを用いてこのシュードノットの構造の詳細を調べているところである。
また、mRNAとは遠く離れたtRNAドメインに一つの塩基置換を導入するだけで、トランストランスレーション活性だけを失わせるような変異体を得た。一方、タグペプチドのフレームをずらすようなmRNAドメイン上の一塩基置換も明らかにしている。いずれの変異もトランストランスレーションのメカニズム解明につながるものと考えて、解析を進めている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Muto,A.,Ushida,C.,Himeno,H.: "A bacterial RNA that function as both a tRNA and an in RNA." Treuds in Biochemical Science. 23. 25-29 (1998)

  • [文献書誌] Feldeu,B.,Hanawa,K.,Atkus,J.F.,Himeno H,Muto,A.et al.: "Presence and location of modified nacleotides in E.coli tmRNA. Structural minicry with tRNA acceptor Dranches." EMBO Journal. 17. 3188-3196 (1998)

  • [文献書誌] 武藤〓,牛田千里,姫野俵太: "バクテリアで見つかったtRNAとmRNAの両方の働きをもつRNA" 蛋白質・核酸・酵素. 43. 1433-1442 (1998)

  • [文献書誌] Soma,A.,Himeno,H.: "Cross species uminoacylation of tRNA with along variable arin between Escherichia coli and Sectharonuyces cereoisiae." Nucleic.Acids Research. 26. 4374-4381 (1998)

  • [文献書誌] Morita,E.,Ebina,H.,Muto,A.,Himeno H.,Hatakeyama,K.,Sugiyama,K.: "Primary structures of hemagglutimn-esterase and spike glycoproteins of murine coronavinis DVIM" Virus Genes. 17. 123-128 (1998)

  • [文献書誌] Nameki,N.,Felden,B.,Atkins,J.F.,Gesteland,R.F.,Himeno,H.,Muto,A.: "Functional and structural analysis of pseudokuot upstream of the tag-emucoded sequence in E.coli tmRNA." Journal of Molecular Biology. 286. 733-744 (1999)

  • [文献書誌] 渡辺公綱,井上暁夫,姫野俵太: "分子生物学イラストレイテッド" 羊土社, 344 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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