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1999 年度 実績報告書

トランストランスレーションの分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 10680645
研究機関弘前大学

研究代表者

姫野 俵太  弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (80208785)

キーワードtmRNA / trans-translation / translation / ribosome
研究概要

tmRNAはtRNAとしての機能とmRNAとしての機能を合わせ持つRNAで、2本のmRNAから1つのポリペプチドを作り出すという変則的な翻訳(トランストランスレーション)を行う。本研究はtmRNAの構造と機能を明らかにすることで、トランストランスレーションの機能の解明を目指すものである。
tmRNAはtRNAドメインの一端から派生する長いステムの先端部分が4つのシュードノット構造を含む大きなループを形成するという構造をとり、最初の二つのシュードノット構造に挟まれるように2個目のmRNAとして働く部分、すなわちタグペプチドをコードする領域が配置している。
昨年度は、mRNAドメインの直前に配置されている1つ目のシュードノット構造がトランストランスレーションにとって重要であることを示した。本年度は、NMRを用いてこのシュードノットの構造と機能の相関を明らかにした。現在、このシュードノットの全立体構造を明らかにすべくNMRによる解析を進めている。また、本年度は残る3つのシュードノット構造はトランストランスレーションにとって必要でないことも明らかにした。
また、mRNAとは遠く離れたtRNAドメインに一つの塩基置換を導入するだけで、トランストランスレーション活性だけを失わせるような変異体を得た。この変異はEF-Tuによる認識には影響を与えなかったが、リボソームへの結合には影響を与えた。一方、ダグペプチドのフレームをずらすようなmRNAドメイン上の一塩基置換も明らかにしている。いずれの変異もトランストランスレーションのメカニズム解明につながるものと考えて、解析を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nameki N.: "Functional and Structural analysis of a pseudoknot upstream of the tag-eucaled sequence in E. coli tmRNA"J. Mol. Biol.. 286. 733-744 (1999)

  • [文献書誌] Nameki N.: "Amino acid acceptor identity switch of Escherichia coli tmRNA from alanine to histidine in vitro"J. Mol. Biol. 289. 1-7 (1999)

  • [文献書誌] Nameki N: "An NMR and mutational study of an RNA pseudoknot of E. coli tmRNA involved in trans translation"Nucleic Acids Res. 27. 3667-3675 (1999)

  • [文献書誌] 姫野 俵太: "tmRNAによるtraus-trauslationに関する研究"生化学. 79. 1119-1130 (1999)

  • [文献書誌] Soma A: "Unique recognition style of tRNA^<Leu> by Haloferax volcanii leucyl-tRNA synthetase"J. Mol. Biol. 293. 1029-1038 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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