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2000 年度 実績報告書

トランストランスレーションの分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 10680645
研究機関弘前大学

研究代表者

姫野 俵太  弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (80208785)

キーワードtmRNA / trans-translation / 10Sa RNA / ssrA / SmpB / tag-peptide / pseudoknot / ribosome
研究概要

tmRNAが終止コドンのないmRNA上で停止しているリボソームだけを選択的に認識し、翻訳再開の位置を決定しているメカニズムを明らかにするために、mRNAドメインを中心に数多くの変異を導入した。
翻訳再開の位置の12塩基上流に位置しているシュードノット(PK1)はトランストランスレーションの効率を大きく支配するものであったが、翻訳再開位置を決定するものではなかった。翻訳再開位置の決定には、PK1とタグペプチドをコードする領域に挟まれた部分の配列が大きな役割を果たしていることを明らかにした。この配列における変異のうちのいくつかのものはトランストランスレーション活性を大きく低下させ、またあるものはタグペプチドの翻訳のフレームを-1だけシフトさせた。なお、トランストランスレーション活性が最も大きく低下した86C変異体は、アミノアシル化活性もリボソームへの結合能力も失っていなかった。
また、mRNAとは遠く離れたtRNAドメインに一つの塩基置換を導入するだけで、トランストランスレーション活性だけを失わせるような変異体を得た。この変異はEF-Tuによる認識には影響を与えなかったが、リブソームへの結合には影響を与えた。
一方、トランストランスレーション活性を失わせるようなtRNAドメイン上の一塩基置換も明らかにした。
これらの変異は、トランストランスレーションのメカニズム解明につながるものと考えられ、今後の研究が期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nameki,N.,T.Tadaki,B.Felden,J,F.Atkins,R.F.Gesteland,H.Himeno and A.Muto: "Three or four pseudoknots in tmRNA are interchangable and substitutable with single-stranded RNAs."FEBS Letters. 470. 345-349 (2000)

  • [文献書誌] Muto A,Fujihara A,Ito K,Matsuno J.,Ushida C.,Himeno H.: "Requirement of transfer-messenger RNA(tmRNA) for the growth of Bacillus subtilis under stresses."Genes to Cells. 5. 627-636 (2000)

  • [文献書誌] Hanawa K.,Lee S.,Himeno H,Muto A.: "Structure and function of tRNA-like domain E.coli tmRNA."Nucleic Acids Symposium Series. 44. 263-264 (2000)

  • [文献書誌] 姫野俵太,武藤〓: "遺伝子発現研究法(生物化学実験法43)"学会出版センター. 21 (2000)

  • [文献書誌] 武藤〓,姫野俵太: "RNA研究の最前線"スプリンガー・フェアラーク東京. 6 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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