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1998 年度 実績報告書

受精の瞬間に活性化されるプロテインキナーゼのクローニングと機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10680653
研究機関神戸大学

研究代表者

深見 泰夫  神戸大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (00156746)

キーワード受精 / 胚発生 / シグナル伝達 / 蛋白質リン酸化 / チロシンキナーゼ / カルシウムシグナル
研究概要

アフリカツメガエル(ゼノパス)卵において、受精の瞬間に活性化されるチロシン特異的プロテインキナーゼのクローニングと機能解析のため以下の実験を行い、いくつかの新しい知見を得た。
1. ゼノパス卵より膜分画を調製し、すでに報告した方法によって本プロテインキナーゼ(以下Xykと略)を精製した。プロテアーゼによってアミノ末端が消化された断片を回収し、プロテインシーケンサーでアミノ末端配列を解析した。解析した断片数が少ないので、次年度も引続いて酵素の精製と断片化、アミノ末端配列の解析を行い、より多くの配列情報を得る必要がある。
2. 得られたアミノ末端配列を基にPCR用プライマーをデザインした。ゼノパス卵巣cDNAライブラリーを鋳型として、PCR反応を行い反応産物をベクターに組込みDNA塩基配列を解析した。これまでに十数クローンの塩基配列を解析したが、Xykの候補となるクローンはまだ得られていない。
3. Xykの機能する場所を推定するため、パラフォルムアルデヒド固定卵の凍結切片を抗体染色した。その結果、Xykは卵の表層(コルテックス)部に局在していることが明らかになった。この局在は、卵表層部に想定される精子受容体との機能的連関を可能にするものである。
4. 受精以外のXyk活性化を引き起こすシグナルについて解析した。その結果、精子以外ではインテグリン刺激ペプチドであるRGDSペプチドがXykの活性化に有効であった。一方、カルシウムイオノフォアや電気ショックによる卵の賦活化では、Xykは活性化しなかった。従って、Xykの活性化はインテグリン様の受容体を介して起っていることが示唆される。
5. Xyk阻害ペプチドの注入により、卵は精子あるいはRGDSペプチドによる賦活を受けなくなった。しかしカルシウムイオノフォアに対しては阻害ペプチドは無効であった。このことは、Xykの活性化は、カルシウムシグナルの上流、もしくは、カルシウムとは独立に起っていることを示している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Sato,K.-I.: "Involvement of protein-tyrosine phosphorylation and dephosphorylation in sperm-induced Xenopus egg activation." FEBS Lett.424. 113-118 (1998)

  • [文献書誌] Sato,K.-I.: "c-Src and phosphatidylinositol 3-kinase are involved in NGF-dependent tyrosine phosphorylatoin of Shc in PC12 cells." Biochem.Biophys.Res.Commun.250. 223-228 (1998)

  • [文献書誌] Tokmakov,A.A.: "Inhibition of MAPK pathway by a synthetic peptide corresponding to the activation segment of MAPK." Biochem.Biophys.Res.Commun.252. 214-219 (1998)

  • [文献書誌] Fukami,Y.: "Peptide inhibitors of MAPK pathway:A structure-mimetic peptide corresponding to the conserved IDA(Inter-DFG-APE)region of the kinase domain." Pharmacology & Therapeutics. (in press). (1999)

  • [文献書誌] Sato,K.-I.: "Evidence for the involvement of a Src-related tyrosine kinase in Xenopus egg activation." Dev.Biol.(in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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