研究概要 |
1。Rpa12サブユニットはリボーソムDNAの転写開始に必要である。 1-1:in vitroリボソームDNA転写系によるRNA polymeraseI特異的サブユニットRpa12の解析:Rpa12欠失変異株および野生株よりS100分画を調整し、リボソームDNAのin vtro転写を行い、転写開始能を比較した。その結果、野生株より調整したS100に比べてRpa12株より調整したS100は約1/10の転写開始活性を示した。従ってRpa12は直接あるいは間接にリボソームDNAの転写開始に必要である事が示された。 1-2:in vivoからの」Rpa12サブユニットの機能解析:rpa12の欠失変異を持つ分裂酵母は温度感受性増殖を示した。この温度感受性増殖はRNApolymeraseIの最大サブユニットRpa190を過剰発現させる事により部分的に抑制された。この事はRpa12サブユニットが転写開始に必要なのはRpa190を介している可能性を示唆している。Rpa12の特徴はN末側とC末側にある亜鉛結合モチーフである。そこでそのモチーフの機能を調べるためRpa12のC末の欠失変異解析を行ったところ、C末側の亜鉛結合モチーフはRpa12の機能に必須でない事が示された。今後N末側モチーフの機能をin vitroで調べたい。 2。Rpa42サブユニットの解析:本プロジェクトの過程でRNApolymeraeIの全サブユニットを明らかにする必要がある事が明らかになった。そこでコアサブユニットのRpa42の遺伝子を単離しin vivoの解析を行つた。Rpa42サブユニットは大腸菌のalphaサブユニット,出芽酵母のAC40サブユニットのホモログである事、Rpa17サブユニットとtwo-hybrid法で相互作用する事、出芽酵母のrpc40変異を相補する事等を明らかにした。
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