研究概要 |
(1) RAD51結合分子RAB22遺伝子欠損マウスの作製 RAB22遺伝子のエクソン2、3、4を含むゲノム断片をネオマイシン耐性遺伝子に置換したRAB22遺伝子欠損マウスを作製した。マウスは正常に生まれ、免疫系の異常は認められなかった。すなわち、Tリンパ球の細胞表面マーカーであるCD4,CD8、Bリンパ球の細胞表面マーカーであるIgM,B220も正常であった。放射線感受性、発がんの可能性に関しては現在検討中である。 (2) 新規RAD51結合分子XB7の単離。 我々は以前、Yeast Two-hybrid法にて、V(D)J組換え酵素で、DNA二重鎖切断修復関連蛋白であるXRCC4と結合する新規分子XB7を単離した。そして、XB7のXRCC4結合部のみを過剰発現することにより、V(D)J組換え頻度の低下を認めている。このXB7分子と他の核蛋白との結合を検討したところ、Ku80,c-Myc,RAG1などとは会合は認められなかったが、RAD51とは強く結合することが判明した。さらに我々は、XRCC4と結合する別の分子UCH-X4も単離しているが、この分子はBRCA1/BRCA2を介してRAD51と巨大な複合体を形成する可能性を示唆する結果を得ている。このことはDNA二重鎖切断修復の二つの修復経路すなわち、相同組換え修復と非相同的断端結合の最終段階では同様な酵素群を使用している可能性を示唆している。
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