• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

大腸菌の細胞分裂の時期決定機構

研究課題

研究課題/領域番号 10680679
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

西村 昭子  国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教授 (20142002)

キーワード細胞分裂 / Ap4A / 大腸菌 / グリシルtRNA合成酵素 / Ap4A分解酵素 / cfcA遺伝子 / cfcB遺伝子
研究概要

DNA複製状況を認識できず分裂時期が早くなるcfcA変異株はグリシル-tRNA合成酵素をコードするglySa遺伝子に、cfcB変異株はAp4A分解酵素をコードするapaH遺伝子に変異を持つ。分列時期はAp4Aの細胞内濃度で決まり、Ap-4AのレベルはGlySとApaHにより制御されている.変異型GlySによるAp4Aの細胞内合成様式を明らかにする為、1.野生型及び変異型GlySの精製を行い、(1)グリシル化活性を測定した結果、ATPに対する変異型GlySのKm/Kcat値は野生型の20倍、グリシンに対する変異型GlySのKm/Kcat値は野生型の100倍以上高かった。ところがcfcA変異株ではglySa遺伝子の変異の他にglySb遺伝子のρ非依存性転写終結シグナル配列内にIS1挿入変異を持ちglyS遺伝子の発現量が低下している為、Gly-tRNAの細胞内レベルは、逆にcfcA変異株では野生株の約1/3しか検出されなかった。従って、変異株のcfc表現型はグリシル化活性の低下によるものでは無いことがわかった。(2)変異型GlySのAp4A合成活性は、野生型GlySの2倍であった。(3)変異型GlySの3H-Ap4A分解活性は、逆に野生型GlySの数十分の一であった。以上の結果から、cfcA変異株でAp4Aの細胞内レベルが上昇するのはglyS変異による間接的結果ではなく、GlyS蛋白自身がAp4Aの細胞内レベルの制御に直接関与していると考えられる。2.一方Ap4Aによる分裂時期の決定がどのように行われるかを明確にする為に、合活性を持つ蛋白群を分離しN末を決定した処、未知の蛋白が見つかった。破壊株を作成したこの遺伝子は細胞にとって必須であった。この蛋白の機能を明らかにする為にこの蛋白をコードする遺伝子のクローニングと蛋白の多量精製を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nishimura,A.: "Timing of Cell Division:Ap4A as the Signal" TiBS. 23. 157-159 (1998)

  • [文献書誌] Ukai,H.: "ftsE(Ts)affects tranolocation of K^+-pump protains into the membrane of Escharichia colt" J. Bacteriol. 180. 3663-3670 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi