研究課題/領域番号 |
10680709
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
王 慶平 昭和大学, 医学部第一解剖学教室, 助手 (10245821)
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研究分担者 |
中井 康光 昭和大学, 医学部第一解剖学教室, 教授 (60053807)
管 健蓮 昭和大学, 医学部第一解剖学教室, 助手 (20276538)
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キーワード | 免疫細胞化学 / 電顕 / 背側縫線核 / シナプス / デルターレセプター / ミュウーレセプター / アセチルコリン / 微細構造 |
研究概要 |
この一年間の研究結果をご報告いたします。 1。 δ1-opioid受容体の背側縫線核での微細構造レベルでの分布およびそれのシナプス関係の研究。(1)普通のABC-DAB免疫組織反応法でも、慎重にやればレセプターの微細構造での分布の研究ができると分かりました。特に熱で壊れ易い物質の微細構造レベルの研究では包埋後の金粒子法ではできないので、なかなか貴重な経験を得られました。(2)背側縫線核で、62.4%のδ 1-opioid受容体が樹状突起に存在していて、33.8%のδ1-opioid受容体が軸索の終末に存在していますが、神経細胞体では、δ 1-opioid受容体は少なかった。(3)92.9%のδ 1-opioid受容体免疫陽性樹状突起がシナプス後膜の所で免疫陽性で、δ 1-opioid受容体はほとんどシナプスの所で働くことは分かりました。(4)δ 1-opioid受容体免疫陽性終末及び樹状突起と関係しているシナプスを多数観察されまして、特に、δ 1-opioid受容体免疫陽性終末がδ 1-opioid受容体免疫陽性樹状突起にシナプスを形成していることも観察されました。 2。 μ 1-opioid受容体の背側縫線核での微細構造レベルでの分布およびそれのシナプス関係の研究。(1)普通のABC-DAB免疫組織反応法でも、慎重にやればレセプターの微細構造での分布の研究ができると確認しました。(2)背側縫線核で、76.4%のμ 1-opioid受容体が樹状突起に存在していて、18.9%のμ l-opioid受容体が軸索の終末に存在していますが、δ1-opioid受容体と同様に、神経細胞体では、μ 1-opioid受容体は少なかった。(3)70.4%のμ 1-opioid受容体免疫陽性樹状突起がシナプス後膜の所で免疫陽性で、δ 1-opioid受容体もほとんどシナプスの所で働くことは分かりました。(4)μ 1-opioid受容体免疫陽性終末及び樹状突起と関係しているシナプスを多数観察されまして、特に、μ 1-opioid受容体免疫陽性終末がμ 1-opioid受容体免疫陽性樹状突起にシナプスを形成していることも観察されました。 3。 Acetylcholine軸索の背側縫線核での微細構造レベルでの分布およびそれのシナプス関係の研究。(1)δ 1-opioid受容体およびμ 1-opioid受容体のことと違って、ほとんどのvesicular acetylcholine transporter(Acetylcholine含有を示す)免疫反応陽性物質が軸索の終末の中に存在しています。免疫反応陽性の樹状突起もあるが、数は少なかった。(2)多数の免疫反応陽性軸索の終末が免疫反応陰性の樹状突起およびそのspineにシナプスを形成していますが、細胞体にシナプスを形成することは少なかった(3)免疫反応陽性軸索終末の形成しているシナプスはほとんど対称型でした。シナプス領域も小さかった。 (4) 免疫反応陽性樹状突起が少ないけど、通常非対称型のシナプスを受けていました。 以上、計画の通り研究の目的はすべてできました。この三種類の物質の背側縫線核での微細構造での分布が免疫電顕レベルで観察しました。これから、また、計画の通り、この三種類の物質含有のニューロンと別の物質を含むニューロンとのシナプス関係の研究へと発展したい。
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