この二年間の研究結果をご報告いたします。 1.β-endorphin含有終末はABC-DAB-SGI法で染色にして、delta-opioid receptor含有神経細胞はABC-DAB法で染色にしての二重免疫電顕法で、β-endorphin含有終末のdelta-opioid receptor含有神経細胞へのシナプス形成を研究しました。観察されたシナプスはすべて軸索一樹状突起の形でした。シナプス外のシグナル伝達の可能性が示唆されました。 2.β-endorphin含有終末はABC-DAB-SGI法で染色にして、mu-opioid receptor含有神経細胞はABC-DAB法で染色にしての二重免疫電顕法で、β-endorphin含有終末のmu-opioid receptor含有神経細胞へのシナプス形成を研究しました。観察されたシナプスは全て軸索一樹状突起の形でした。シナプス外のシグナル伝達の可能性が示唆されました。 3.二種類の二重免疫電顕法((1)serotoninニューロンを包理前金コロイドの銀増感とvesicular acetylcholine transporterのABC-DAB免疫反応の組合せ法と(2)serotoninとvesicular acetylcholine transporterの二種類の抗体を交替でそれぞれのABC-DAB-SGI法とABC-DAB法の組合せ法)を用いて、背側縫線核のserotonin含有神経細胞と外側背側被蓋核のacetylcholine含有神経細胞間にお互いのシナプスを形成しているのが分かりました。 4.十年間の背側縫線核での免疫電顕の研究結果をまとめて、第二回のアジア太平洋地域国際解剖学会で特別講演の形で、講演しました。 5.計画外の研究ですが、最後野でμ1-opioid受容体の微細構造レベルでの分布およびそれのシナプス関係の研究をしました。 6.計画外の研究で、最後野でのGABAニューロンとカテコラミンニューロンとのお互いのシナプス関係を研究しました。 7.計画外の研究で、視床下部でのneurotensin免疫陽性終末がvasopressin免疫陽性ニューロンへのシナプス形成を研究しました。 8.計画外の研究で、最後野のantiotensin IIの極細構造レベルでの分布およびそれのシナプス関係の研究をしました。
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