研究概要 |
HGFははじめ肝臓に対する作用に注目されていたが,現在までに肺、腎臓、心臓、血管、膵臓、軟骨、さらに脳神経系組織を標的とする新規神経栄養因子として作用することが明らかとなった。HGFは4つのクリングル構造をもつアルファ鎖とベータ鎖からなる。HGFとそのファミリー分子HGF-like protein(HLP)がいずれもクリングル構造を持つこと,HLPもHGFと同様神経栄養作用をもつこと(船越&中村、未発表)、さらに他にクリングルを5つもつプラスミノーゲンがHGFと同様に神経栄養作用をもつことから、クリングル構造を共通にもつ新規神経栄養因子群としてのHGFスーパーファミリー:クリングルスーパーファミリーが存在すると考え、そのクローニングおよびメンバーの機能解析を行っている。クリングル構造に着目したPCR変法(クリングルセイジ法),を神経組織および各種cell lineに適用した結果、2種の新規クリングル分子の部分断片のクローニングに成功した(中村隆広他、未発表)。特にそのうちの1つはHGFベータ鎖のセリンプロテアーゼ様モチーフ保存プラーマーで予め増幅したあとクリングルセイジを施行しており、HGFファミリー分子である可能性を考え全域のクローニングを施行中である。更にHGFおよびHLPの新規神経栄養作用は、in vitro初代神経細胞、cxplant、in vivo chickenでの解析を、またHGFに関しては、既にHGFを神経系特異的に発現するトランスジェニックマウスを作成し、解析中である。
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