研究概要 |
1、 ニワトリ胚後根神経節より分離培養した神経細胞において、10ng/mlのラディシコールは、単独でも、また各ニューロトロフィン(NGF,BDNF,NT-3)の存在下でも神経突起伸展を増強させた。両者の効果は相加的であった。 2、 同神経細胞に対する生存維持作用について、Tunnel法により検定したところ、ラディシコール単独で、神経細胞の生存を高め、また各ニューロトロフィンの存在下でもその生存を増強させた。 3、 上記のラディシコールの神経栄養因子作用のメカニズムを検討するため、ニューロトロフィン受容体(Trk)の自己燐酸化を調べたが、用いた濃度のラディシコールはニューロトロフィンによるTrkのチロシン燐酸化に影響しなかった。またMAPキナーゼの活性化にも効果を示さなかった。 4、 ニューロトロフィンの神経栄養因子作用に関ると指摘されているいPI-3キナーゼの阻害剤Wortomaninnは、ラディシコールの効果に影響しなかった。従って、ラディシコールの効果は、ニューロトロフィンの作用と異なったメカニズムが推察された。
|